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カテゴリ: 多発性硬化症

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University of Calgaryの研究チームは、クロミプラミン(Clomipramine)と呼ばれる抗うつ薬を進行型多発性硬化症の治療薬の候補として同定した。進行型多発性硬化症には、今のところ効果的な治療薬がほとんど存在しない。 


Nature communications誌に発表された論文で、研究チームは1040種のジェネリック医薬品の薬理活性を培養細胞を用いて精査し、最も有望であったクロミプラミンの効果をマウスで検討した。

専門家の多くは、多発性硬化症(Multiple Sclerosis, MS)は、自己免疫疾患の一種だと考えている。つまり、MSでは、脳や脊髄などの中枢神経が免疫細胞によって攻撃されることによって様々な症状が現れる。

MS患者では、神経細胞の軸索を取り巻く脂肪の層であるミエリンが免疫系により攻撃される。ミエリンが傷つくと、神経の信号伝達が弱まることになる。

MSの症状は多岐にわたり、その重症度も患者によって大きく異なる。症状には、筋肉の弱化、視覚障害、バランスの失調、痛み、痺れ、発話の障害、めまい、震え、聴覚障害などが含まれる。

MSはさらに、うつ病や、記憶、注意、集中、思考、意思決定などの問題を引き起こすこともある。

全世界には、250万人のMS患者がいると推定されている。

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今年2月に報告された小規模な臨床試験によって、化学療法と幹細胞移植の組み合わせで再発寛解型多発性硬化症の患者の三分の二以上が5年間以上の寛解に至ることが明らかになった。


Richard Nash博士らの研究グループは、HALT-MSと呼ばれる第二相臨床試験の最終報告をNeurology誌に発表した。

再発寛解型多発性硬化症(Relapsing-remitting multiple sclerosis, RRMS)は最も一般的な形のMSで、全診断の85%を占める。

MSでは、中枢神経の神経軸索を守る組織であるミエリンを免疫細胞が誤って攻撃することによって引き起こされる。症状には、筋肉の弱化、歩行やバランスの障害、慢性的な痛みなどがある。MS患者には、疲れ、めまい、認知機能の障害、視覚障害なども現れる。

RRMSでは、これらの症状の再発と消失(寛解)が繰り返される。今のところ、症状の再発とうまく付き合っていくための薬は数多くあるが、MSの根本的な治療法は存在しない。

しかし、新たな研究によって、一度の高投与量の免疫抑制療法(high-dose immunosupressive therapy, HDIT)と自家造血細胞移植(hematopoietic cell transplantation, HCT)によって長期間の寛解が得られる可能性が報告された。

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新たな研究により、一般的な抗酸化剤が多発性硬化症の進行を遅らせる可能性が発見された。 


予備研究により、研究者らは高投与量のα‐リポ酸(lipoic acid)を二年間毎日服用することで、進行型多発性硬化症による脳の萎縮が、プラセボ群に比べて軽減されることを発見した。

研究を率いたのはOregon Health & Science University School of MedicineのRebecca Spain博士で、論文はNeuroimmunology & Neuroinflammation誌に掲載された。

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新たな研究によれば、果物、野菜、全粒穀物を中心とする健康的な食事を摂ることで、多発性硬化症による障害やその症状を減らすことができるかもしれない。


Johns Hopkins School of Medicineの研究チームは、食事が多発性硬化症(Multiple Sclerosis, MS)の症状に与える影響を調べるため、North American Research Committeeレジストリから得た6,989人のMS患者に対するアンケート調査の結果を精査した。

このアンケート調査では、患者のライフスタイル、体重、身体活動、喫煙などの情報と共に、過去6か月間のMS症状の再発の有無が質問されていた。さらに、疲労、痛み、動き、鬱などの障害の程度と症状の重さについての情報が含まれていた。

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多発性硬化症では、運動することで運動能力を維持できることが知られているが、実はそれ以上の効果があるかもしれない。新たな研究によって、筋力トレーニングが病気の進行を遅らせる可能性が報告された。


Aarhus大学の研究者らは、週二回の筋力トレーニングを半年間続けた結果、再発寛解型多発性硬化症(relapsing-remitting multiple sclerosis, RRMS)の患者の脳委縮が防止されることを発見した。一部の患者では、特定の脳の領域の容積が増加する場合も見られた。この発見は、Multiple Sclerosis Journal誌に発表された。

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