健康科学速報

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カテゴリ: 病因

ガイガーカウンター

低線量の放射線被ばくは、喫煙や肥満といった生活習慣の要素よりも、健康への影響が小さいことが報告された。

現代人は、医療、工業、あるいは軍事などで使われる低線量の放射線に常に曝されている。このような低線量被ばくが人体にどのような影響をもたらすかは、いまだに議論の余地がある。最近、オックスフォード大学の研究者によりProceedings of the Royal Society誌に報告された論文によれば、低線量被ばくの影響は、その他の環境要因(喫煙、肥満、大気汚染)よりも小さいということだ。

放射線被ばくの影響の一つとして、発がんが挙げられる。論文によれば、100ミリシーベルトの放射線に曝された100人を調査したところ、一生のうちで放射線による発癌を起こすのは100人中一人に留まり、その他の要因によりがんになった人は42人であった。被ばく量の例として、CTスキャンによる被ばくは一回で10ミリシーベルト程度であり、自然から一年に受ける被ばくは2から3ミリシーベルトであるという。

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アルコール依存症

アルコール依存症は社会的に重要な問題だが、依存症になるメカニズムは、未だよくわかっていない。

カリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究チームは、アルコール依存症のモデルマウスを用いた研究によって、そのメカニズムの一端を明らかにした。

同研究チームによる先行研究によって、アルコールの過剰摂取によって脳の側坐核という部位でmTORC1というタンパク質が活性化されることが知られていた。今回の研究では、mTORC1により発現されるタンパク質群が同定され、そのうちの一つで機能が未知であったprosapip1について研究が行われた。

遺伝学的にProsapip1を阻害した結果、アルコール依存症マウスはアルコールを好まなくなることが明らかとなった。一方で、Prosapip1阻害により、マウスの砂糖水に対する選好は変化しなかった。

Prosapip1はアルコール依存症が引き起こされる神経可塑性のメカニズムに重要な役割を果たしており、アルコールを含む様々な依存症の形成メカニズムを知る手掛かりになるだろう。

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心臓


ペンシルバニア大学らの研究チームは、心疾患患者の心筋細胞では、健常人に比べてテロメアが短縮していることを世界で初めて見出した。

人間は23対の染色体を持つが、それぞれの染色体の両端には、テロメアと呼ばれる配列があり、染色体の安定性を保っている。今回、研究チームは、新たに開発した手法を使い、人間の心臓組織でのテロメアの長さを計測した。

健常人では、年齢に関わらず、テロメア長に変化は見られなかった。一方で、心臓疾患をもつ患者の心筋では、年齢に関わらず、健常人よりもテロメア長が短いことが明らかになった。

心疾患とテロメアの短縮がどのように関連するのかはまだ明らかではないが、今回の発見は、心疾患のメカニズム解明のための重要な一歩となる可能性がある。

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認知症

アルツハイマー病を含む認知症は、2015年には世界中で4700万人の患者がおり、これを予防することは重要な課題である。

世界中の認知症の専門家24人が共同で執筆し、最近The Lancet誌上で発表した総説論文によれば、認知症のうち三分の一は、以下の生活習慣を改善することで予防できる可能性がある。

認知症のリスクを減らすためには、
  • 中学校までの教育を受ける
  • 高血圧肥満糖尿病を避ける
  • 中年での聴覚障害を予防、および治療する
  • 喫煙しない
  • 運動する
  • うつ病社会的孤立を避ける
論文によれば、認知症のうち35%は、これらの要因によって引き起こされるため、これらを避けることで理論上、三分の一の認知症を防止できることになる。

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