健康科学速報

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カテゴリ: 病因

McMaster大学の研究チームは、急性骨髄性白血病(AML)の画期的な治療法として、糖尿病薬が有効である可能性を報告した。この論文は、Nature Cell Biology誌に掲載された。

急性骨髄性白血病(AML)は、白血球細胞が異常に増殖する血液のがんであり、米国では2017年に約2万人が新たにAMLを発症している。

研究チームはAML患者の骨髄細胞を精査した結果、患者の骨髄では脂肪細胞のニッチが破壊されていることを発見した。つまりAMLでは、骨髄中の脂肪細胞が抑制されていることを見い出した。その結果、赤血球の前駆細胞や幹細胞の機能不全を引き起こしていたのだ。

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がん治療の大きな問題のひとつは、がんの再発である。一度は寛解した患者でも、何年も経ってから、より悪性度を増して再発することは珍しくない。がんの再発が起こるメカニズムを解明することは、より適切な時期に、より効果的な治療を行う上で必要とされている。

イギリスの研究者らは、再発したがんがどのように免疫系を避けるのか、そのメカニズムの一端を解明した。Cancer Immunology Research誌で発表された論文では、マウスモデルを用いた研究により、再発したがんはTNF-alfaシグナルの作用を転換し、ナチュラルキラー(NK)細胞を無効化することで、免疫系を逃れていることが報告された。

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Johns Hopkins大学の研究者らは、脳のワーキングメモリ(作業記憶)を改善する効果的なトレーニング方法を発表した。

ワーキングメモリとは、一時的に情報を保管して操作する機能のことで、我々が学校や仕事などの日々の生活で使っている。ワーキングメモリは読解力や数学力に関連する重要な脳の機能で、ワーキングメモリを改善することで、学習や仕事の効率を上げられるかもしれない。

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制がん因子であるp53は、DNA修復、アポトーシス(プログラム細胞死)や細胞周期の停止などに関与しており、発がんを防ぐ役割を果たしている。p53の変異が発がんにつながることは広く知られているが、今回、Stanford大学の研究チームによって、発癌を抑えるp53の変異も存在することが報告された。Cancer Cell誌上で発表された。

研究チームは、マウスの腎臓がんにおいて、p53が持つtranscriptional actication domain (TAD)の変異の影響を調査したところ、変異体のひとつであるp53-TAD2が発がんをより強力に抑える「超制がん因子」として働くことを見出した。

制がんメカニズムとして、p53-TAD2は、その下流の因子であるPtpn-14を活性化し、それが発癌因子であるYapを抑制することが明らかにされた。

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神経細胞韓国とシンガポールの共同研究チームは、パーキンソン病の発症メカニズムについて、従来の説を覆す可能性のある発見をしたと発表した。

パーキンソン病は、神経伝達物質であるドパミン量の低下により引き起こされると考えられているが、これがどのようなメカニズムでパーキンソン病にみられる震えや硬直につながえているのかはわかっていない。パーキンソン病発症メカニズムの仮説として、筋肉の意図的な動きを制御する大脳基底核(basal ganglia)でドパミン量が低下することで、神経が抑制されることが原因ではないかと考えられてきた。

今回、研究チームはマウスを用いた実験で、光遺伝学(optgenetics)の手法によって抑制性神経を活性化することで、大脳基底核の働きを抑制した。意外にも、研究チームは大脳基底核の抑制によって、視床腹外側核神経(ventrolateral thalamic neuron)が過活性化されることを見出した。

これは「リバウンド発火(rebound firing)」とよばれる現象で、研究チームはこれが運動が抑制されるメカニズムではないかと考えている。研究チームはさらに、遺伝学の手法によってリバウンド発火を抑制したマウスを作成したところ、ドパミン量が低い状態でもパーキンソン病症状を起こさないことを確認した。

この発見は、パーキンソン病メカニズムの解明において、ブレークスルーになる可能性がある。

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