健康科学速報

ヘルスケア分野の科学技術の海外ニュースを伝えます。

カテゴリ: 病因

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動物実験により、腸内細菌が多発性硬化症を引き起こす可能性が示唆された。多発性硬化症の遺伝的リスクを持つ人々において、若い頃の腸内のバクテリアの変化が、多発性硬化症を発症する引き金となったり、その症状の進行を早めたりするかもしれない。


新たな研究によって、腸内のバクテリアの変化と多発性硬化症(Multiple Screlosis, MS)のリスク遺伝子が協調して病気を引き起こすメカニズムがPNAS誌に報告された。また、MS研究のためのユニークなモデルマウスの開発も合わせて発表された。


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慢性疲労症候群(Chronic fatigue syndrome)および湾岸戦争症候群(Gulf War illness)の患者の脳内で特異的な化学物質の変化が起こっていることが発見された。この二つの病気は最近まで、単に精神的な原因から起こると考えられてきた。


慢性疲労症候群


慢性疲労症候群と湾岸戦争症候群は、多くの症状を共有しており、筋肉の痛み、疲労、認知機能障害、睡眠障害、のどの痛み、頭痛、および運動後の不調などを特徴とする。

これらの疾患は、最近まで精神的な問題であると誤解されてきたが、この数年でその深刻さと適切な診断と治療の必要性が広く認識されるようになってきた。

しかしながら、現在までにこれらの疾患に対する治療法は確立されておらず、原因についても不明である。米国では、80万人から250万人の患者が慢性疲労症候群などを患っていると推定されており、早急な原因解明と治療法の確立が求められている。


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新たな研究によって、アスプロシン(asprosin)と呼ばれるホルモンが脳内で空腹を感じさせるメカニズムが解明された。この発見は、肥満や体重過多の治療に役立つかもしれない。


アスプロシンの発見と機能


アスプロシンは、脂肪から産生されるホルモンで、肝臓でグルコースの血中への放出を促すことにより、血糖値を制御している。

このホルモンは、2016年に新生児早老症様症候群(Neonatal progeroid syndrome, NPS)患者の研究の中で発見された。

NPSは、非常に稀な遺伝病で、症状の一つとして体脂肪が蓄積できないことから異常に痩せているという特徴がある。研究者らは、NPS患者の持つ遺伝子変異として、アスプロシンの機能が失われるものがあることを突き止めた。


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最近、糖尿病研究者の間で、カロリー制限によってⅡ型糖尿病が治るかもしれないというアイデアが注目を集めている。 これまで、そのメカニズムは明らかでなかったが、新たな研究がメカニズムの一端を明らかにした。


糖尿病とは


世界的にⅡ型糖尿病の患者は増えており、この35年間で4倍近くになっている。1980年には患者数は1億800万人だったが、2014年には4億2200万人に増加している。日本には700万人の糖尿病患者がおり、糖尿病予備軍を含めると2000万人に達するとも推定されている。

糖尿病の多くはⅡ型糖尿病に分類され、血糖値を下げるインスリンが効きにくくなることが原因である。過剰な体重がこの病気の主な原因の一つとされる。


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オーフス大学の研究チームは、主に女性が発症する原因不明のてんかん様発作psychogenic non-epileptic sezures (PNES)の原因は、神経に作用するホルモンの減少である可能性があることをStress誌に発表した。

デンマークでは、約2000人もの患者(その多くは女性)がてんかんの痙攣に似た発作であるPNESに苦しめられている。この痙攣は、これまで単に精神的な理由で引き起こされると考えられてきており、身体的な原因は不明で、有効な予防法や治療法は存在しなかった。

オーフス大学の研究チームは、PNES患者ではNeuropeptide Y (NPY)と呼ばれるホルモンが減少していることを突き止めた。NPYは、ストレスへの耐性に関連するホルモンとして知られている。PNES患者は、性的、精神的、身体的な様々な虐待を受けていることや、低い生活の質にさらされていることが多いことも報告された。

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