健康科学速報

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カテゴリ: 病因

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ある免疫に関わる分子が、より重症の多発性硬化症を見つけるためのマーカーになる可能性が報告された。 この発見は、重症化する可能性の高い患者への個別化医療に役立つかもしれない。


多発性硬化症


多発性硬化症(Multiple Sclerosis, MS)は、脳と脊髄からなる中枢神経で起こる慢性的な疾患で、その原因には未知の部分が残り、治療法は未だ限られている。

MSでは、神経細胞の軸索を覆う脂質組織であるミエリンが傷つくことによって信号伝達が阻害され、筋肉の弱化やバランスの障害が問題として表れる。

症状は患者ごとに大きく異なっているが、一般に歩行障害、視覚障害、極度の疲れ、鬱などが含まれる。

MSの原因は、自己免疫反応と考えられているが、なぜ免疫系が突如としてミエリンを襲うのかは理解されていない。また、その症状の重篤さは比較的良好なものから重症なものまであり、予想することは困難である。


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新たな研究によって、脳への損傷が長期的な影響を及ぼすことが示唆された。青年期に脳震とうを経験した人は後に多発性硬化症を発症するリスクが高まるかもしれない。


脳震とうは、外傷性の脳損傷のひとつで、意識の喪失、めまい、バランスの失調、態度や気分の変化、記憶障害、混乱などがある。これらの症状は通常、脳の損傷の直後に現れるが、数日後に現れることもある。

新たな研究によって、青年期の脳震とうの経験が、後に多発性硬化症(Multiple Sclerosis, MS)を発症するリスクに関係があることが報告された。この論文は、Annals of Neurology誌に掲載された。


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多発性硬化症で神経組織が障害を受ける機構を研究しているグループから、白血球が血液脳関門を通過して中枢神経へと到達するメカニズムが報告された。


イリノイ大学の研究者らがCell Reports誌に報告した論文では、多発性硬化症(Multiple Screlosis, MS)のモデルマウスを使った実験で、免疫細胞が中枢神経を攻撃するメカニズムが明かされた。

MSでは、免疫細胞が血流から脳や脊髄などの中枢神経へと移動して、神経を攻撃することで様々な症状が起こる。この免疫細胞が移動するメカニズムを解明できれば、その過程を防止することによってMSの治療法開発へとつながると期待される。


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動物実験により、腸内細菌が多発性硬化症を引き起こす可能性が示唆された。多発性硬化症の遺伝的リスクを持つ人々において、若い頃の腸内のバクテリアの変化が、多発性硬化症を発症する引き金となったり、その症状の進行を早めたりするかもしれない。


新たな研究によって、腸内のバクテリアの変化と多発性硬化症(Multiple Screlosis, MS)のリスク遺伝子が協調して病気を引き起こすメカニズムがPNAS誌に報告された。また、MS研究のためのユニークなモデルマウスの開発も合わせて発表された。


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慢性疲労症候群(Chronic fatigue syndrome)および湾岸戦争症候群(Gulf War illness)の患者の脳内で特異的な化学物質の変化が起こっていることが発見された。この二つの病気は最近まで、単に精神的な原因から起こると考えられてきた。


慢性疲労症候群


慢性疲労症候群と湾岸戦争症候群は、多くの症状を共有しており、筋肉の痛み、疲労、認知機能障害、睡眠障害、のどの痛み、頭痛、および運動後の不調などを特徴とする。

これらの疾患は、最近まで精神的な問題であると誤解されてきたが、この数年でその深刻さと適切な診断と治療の必要性が広く認識されるようになってきた。

しかしながら、現在までにこれらの疾患に対する治療法は確立されておらず、原因についても不明である。米国では、80万人から250万人の患者が慢性疲労症候群などを患っていると推定されており、早急な原因解明と治療法の確立が求められている。


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