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カテゴリ: 創薬

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がんの免疫療法は、次世代の治療法として期待されている。マサチューセッツ総合病院の研究チームは、新型の免疫療法である「CAR T細胞療法」の注目に値する臨床試験の結果を、NewEngland Journal of Medicine誌に発表した。 

報告によれば、CAR T細胞療法によって、これまで治療の難しかったがんの完全寛解が得られたという。今回の試験では、脳に転移したがんの一種であるDLBCL(diffuse large-B-cell lymphoma)のうち、抗がん剤に耐性を示すものに対して行われた。今回の結果は、世界初のCAR T細胞療法の中枢神経への応用例であるという。

CAR (chimeric antigen receptor) T細胞療法は、患者自身のT細胞に対して遺伝子改変を加え、標的のがん細胞に特異的な抗体を発現させる。今回の試験では、B細胞がんに多く発現するCD19を標的とした、JCAR017が試験された。


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脳研究者


iPS細胞を用いて作製された神経細胞が、パーキンソン病モデルのサルで機能することが証明された。京都大学の研究チームが、Nature誌に発表した。動物実験に成功したことにより、ヒトでの臨床試験に道が開かれた。

パーキンソン病では、神経細胞の一種であるドパミン(DA)神経細胞が特異的に失われる。研究チームは複数のiPS細胞系列から作製したDA細胞をパーキンソン病のサルに移植したところ、ES細胞由来のDA神経と同様の効果が得られた。iPS細胞はES細胞よりも、はるかに容易に入手できる等の理由から、臨床応用する上で大きな利点がある。

また研究チームは、治療効果には「質」の高いDA細胞を用いることが重要であることを示し、Dlk1などの遺伝子が「質」の指標となる可能性について、今後、研究を行っていく。


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脳


小頭症の原因となるジカウイルスで、脳腫瘍を治療できるかもしれない。

ジカウイルスの投与によって、脳腫瘍が縮小することがマウスで確認された。研究成果は、ワシントン大学とカリフォルニア大学サンディエゴ校の研究チームによって、Journal of Experimental Medicine誌に発表された。

ヒトでの試験はまだ行われていないが、手術時にジカウイルスを患者の脳へ直接投与するなどして、治療へ使える可能性がある。ジカウイルスは幹細胞へ攻撃を加えることで、幹細胞の少ない正常な脳組織には影響が少なく、幹細胞の多いがん組織に選択的なダメージを与える。

今後は、遺伝子改変により、より安全なウイルスの作製が目指される。



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