健康科学速報

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カテゴリ: 創薬

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脳腫瘍の一種である神経膠芽腫(glioblastoma)は、治療が難しく、予後が悪いことで有名だ。新たな研究によって、神経膠芽腫の増殖を止める方法が見つかったかもしれない。Telomeric repeat binding factor 1 (TRF1)と呼ばれるタンパク質を阻害することで、マウスおよびヒトの神経膠芽腫の増殖と分裂を止められることが発表された。


神経膠芽腫


American Brain Tumor Associationによれば、神経膠芽腫は原発性脳腫瘍の15.4%を占める。早い増殖と治療の難しさから、神経膠芽腫は最も致死率の高い脳腫瘍のひとつだ。抗がん剤テモゾラミドと放射線による複合療法を受けた患者の生存期間の中央値は、14.6か月に留まっている。


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ある新薬によって、もっとも重度の脊髄性筋萎縮症(spinal muscular atrophy, SMA)の乳児はより運動機能を獲得できるようになり、47%多くの乳児が人工呼吸器による補助なしで生存できるようになったことが発表された。

その新薬Nusinersenは、非常に高い有効性を示したため、臨床試験を前倒しで終了し、すぐに米国食品医薬品局(FDA)によって全てのSMA患者に適用することが承認された。

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血糖値 薬
Ⅱ型糖尿病は、血中のグルコース濃度を制御する機能をもつインスリンに体が反応しにくくなることで起こる。このⅡ型糖尿病の症状を抑える薬として、現在はチアゾリジンジオン(thiazolidinedione)類などが用いられるが、体重の増加を含む副作用が問題となっている。

コロンビア大学の研究グループは、体重増加などの副作用の少ないⅡ型糖尿病薬となりうる候補化合物を化合物スクリーニングによって発見したことを発表した。この論文はCell誌に掲載された。

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イギリスとスイスの共同研究チームは、ウイルス粒子と破傷風エピトープを用いた新たなワクチンを開発し、モデル動物実験で新ワクチンが乾癬、猫アレルギー、およびアルツハイマー病予防に有効であることを示した。この成果は、Nature Vaccines誌に発表された。

ワクチンは、病気の原因となっている病原体などの抗原を体内に入れることで、免疫系による抗体の産生を促し、感染症などに対する免疫を獲得する方法だ。同様のメカニズムを利用し、様々な病気の原因となっているタンパク質などの抗原に対する抗体を体内に産生させることで、感染症以外の病気の治療に応用できる。ワクチンは、直接抗体を入れるのに比べて、継続的な効果が期待できる点やコストが低い点などの利点がある。

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片頭痛は広く一般に知られた病気で、周期的に起こる重い頭痛によって患者の生活の質や仕事の生産性を著しく下げてしまう。頭痛は頭の片側で起こることが一般的で、一部の患者では、頭痛に加えて視覚障害も併発することがある。米国では3900万人が片頭痛を患っているとされ、そのうち400万人は、二日に一回は片頭痛に苦しめられている。

片頭痛の症状を緩和するために、薬剤や薬以外の療法が利用されるが、一部の患者には効果がないことが問題である。そのため、現在の治療法に加えて、新たな治療法の開発が望まれている。Thomas Jeferson大学の研究グループは、ケタミンが新たな治療法になるのではないかと考え、その可能性を研究している。ケタミンは主に麻酔薬として使われるが、鎮痛剤や抗うつ薬としても用いられる薬剤である。

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