健康科学速報

ヘルスケア分野の科学技術の海外ニュースを伝えます。

カテゴリ: 神経・認知

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慢性疲労症候群(Chronic fatigue syndrome)および湾岸戦争症候群(Gulf War illness)の患者の脳内で特異的な化学物質の変化が起こっていることが発見された。この二つの病気は最近まで、単に精神的な原因から起こると考えられてきた。


慢性疲労症候群


慢性疲労症候群と湾岸戦争症候群は、多くの症状を共有しており、筋肉の痛み、疲労、認知機能障害、睡眠障害、のどの痛み、頭痛、および運動後の不調などを特徴とする。

これらの疾患は、最近まで精神的な問題であると誤解されてきたが、この数年でその深刻さと適切な診断と治療の必要性が広く認識されるようになってきた。

しかしながら、現在までにこれらの疾患に対する治療法は確立されておらず、原因についても不明である。米国では、80万人から250万人の患者が慢性疲労症候群などを患っていると推定されており、早急な原因解明と治療法の確立が求められている。


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オーフス大学の研究チームは、主に女性が発症する原因不明のてんかん様発作psychogenic non-epileptic sezures (PNES)の原因は、神経に作用するホルモンの減少である可能性があることをStress誌に発表した。

デンマークでは、約2000人もの患者(その多くは女性)がてんかんの痙攣に似た発作であるPNESに苦しめられている。この痙攣は、これまで単に精神的な理由で引き起こされると考えられてきており、身体的な原因は不明で、有効な予防法や治療法は存在しなかった。

オーフス大学の研究チームは、PNES患者ではNeuropeptide Y (NPY)と呼ばれるホルモンが減少していることを突き止めた。NPYは、ストレスへの耐性に関連するホルモンとして知られている。PNES患者は、性的、精神的、身体的な様々な虐待を受けていることや、低い生活の質にさらされていることが多いことも報告された。

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ある新薬によって、もっとも重度の脊髄性筋萎縮症(spinal muscular atrophy, SMA)の乳児はより運動機能を獲得できるようになり、47%多くの乳児が人工呼吸器による補助なしで生存できるようになったことが発表された。

その新薬Nusinersenは、非常に高い有効性を示したため、臨床試験を前倒しで終了し、すぐに米国食品医薬品局(FDA)によって全てのSMA患者に適用することが承認された。

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最近Pediatrics誌に発表された大規模調査で、出生前のアセトアミノフェン服用と注意欠陥・多動性障害(ADHD)の関連性が確認された。

近年ADHDはより一般的になりつつあるが、その理由はあまり分かっていない。理由の一つには、診断法の改善や診断基準の変更があるが、それだけでADHDの増加のすべてを説明できそうにはない。

最近、一部の研究者によって、解熱鎮痛薬であるアセトアミノフェンを妊娠中に服用することと、ADHDとの関連が調べられてきた。このOTC医薬品は妊娠中も比較的安全であると考えられており、解熱や鎮痛の目的で利用されている。

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加齢による記憶と認知機能の低下を遺伝子治療によって防げる可能性が、動物を使った実験で初めて示唆された。スペインの研究グループは、Klothoと呼ばれる遺伝子を若いマウスの中枢神経に導入することで、年老いた時の認知機能の低下が防がれるという結果を得たことをMolecular Psychiatry誌上で報告した。

研究チームは、このKlothoを用いた遺伝子治療が認知症などの神経変性疾患の新しい治療となることを期待している。

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