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大腸がんは、日本で最も頻繁にみられるタイプのがんで、年間の死者は5万人を超える。これまでで最大規模の調査によって、ビタミンDの不足が大腸がんのリスクを大幅に上昇させることが示された。逆に、ビタミンDを十分に摂ることで、大腸がんを防げるかもしれない。

ビタミンDは、日光を浴びることで肌で生合成されるほか、ビタミンD強化食品や油の多い魚などの食品から吸収することも可能だ。

ビタミンDの効果は、骨の健康に関するものが古くから知られている。しかし、研究が進むにつれて、ビタミンDは、より多くの健康効果を持っていることが判明している。

例えば、ビタミンDの不足は、パーキンソン病、心臓疾患、肥満などの疾患に関連している。

その他にも、ビタミンDとがんとの関連も研究が進んできている。

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ビタミンDと大腸がん


最近、American Cancer SocietyやHarverd大学、National Cancer Instituteといったアメリカの複数の研究機関によって、大腸がんのリスクに対するビタミンDの役割が研究されてきた。

大腸がんは、アメリカで皮膚がんに次ぐ三番目に多いがんであり、2018年には5万人以上が大腸がんで亡くなると予想されている。日本では、大腸がんは最も多いタイプのがんであり、2017年には5万3000人が死亡している国立がんセンター統計)。

したがって、大腸がんの発症メカニズムを理解することは重要だ。もしビタミンDが関与していれば、これは簡単で安全かつ低コストな大腸がんの対策となるかもしれない。

過去の研究により、ビタミンDと大腸がんの関連を指摘するものもあったが、これと矛盾する報告も存在した。

今回の報告は、Journal of the National Cancer Institute誌に掲載された。

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研究を主導した一人であるHarvard T.H. Chan School of Public HealthのStephanie Smith-Warner博士は述べる。「過去のビタミンDに関する矛盾について検討し、集団サブグループの関連について研究するため、我々は、大腸がんと診断される前に収集された参加者レベルのデータを17の前向きコホート研究から分析し、研究をまたいで標準化された基準を用いました。」

合計して、研究チームは、三つの大陸で実施された研究から、5700例の大腸がんのケースと7100例の対照ケースを用いた。

過去には、ビタミンDを測定する方法の違いから、異なる研究間のデータをまとめて評価することが困難だった。今回、研究チームは、既存の測定を補正することで、意味のある形で複数の試験からのデータを直接比較することができた。

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ビタミンDは大腸がんに関連している


研究チームは、個人のビタミンDレベルと現在National Academy of Medicineによって推奨されているビタミンDレベルを比較した。

現在のガイドラインよりも低いビタミンDレベルの人では、追跡調査期間中(平均5.5年間)の大腸がんの発症リスクが31%上昇していた。推奨レベルよりも高いビタミンDレベルの人では、大腸がんリスクは22%減少していた。ビタミンDと大腸がんの関連は、男性よりも女性で強く見られた。

この関連は、他の大腸がんリスクを上昇させる因子を考慮した上でも有意であった。

しかし、このリスク減少はビタミンDレベルが最も高い人々でも、より大きくなるということはなかった。

「現在のところ、保健機関は大腸がん防止の目的でのビタミンD摂取を推奨していません」と共著者であるMarji L. McCullough氏は言う。「この調査は、保健機関がビタミンDのガイドラインを見直す時に使える新しい情報であり、骨の健康のためのビタミンD濃度は、大腸がん防止のための濃度よりも低いかもしれないということを示唆しています。

この研究は、ビタミンDが大腸がんを防止するという証拠を加えている。ビタミンDのガイドラインは、この発見に基づいて改定される必要があるかもしれない。

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参考:Low vitamin D levels may raise bowel cancer risk