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多発性硬化症(MS)の若い成人患者は、MS患者全体に比べて再発頻度が高い一方で、ジレニアによる治療に良い反応を示すことが三件の臨床試験の事後解析から明らかになった。

この研究は、Multiple Sclerosis Journal - Experimental, Translational and Clinical誌に掲載された。

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ジレニア(フィンゴリモド)は、再発型MSに対する疾患修飾療法に使われる薬だ。

今回の研究では、複数の第三相臨床試験からのデータを再検証することによって、ジレニア 0.5 mgの有効性が分析された。対象となった臨床試験のうちの二つ(FREEDOMS、FREEDOMS II)は、ジレニアとプラセボ薬を比較したもので、残りの一つ(TRANSFORMS)はアボネックス(インターフェロンβ-1a)との比較を行ったものだった。この分析では特に、非常に若い、あるいは若い成人患者という二つのサブグループを対象として、疾患活動と治療への反応が調査された。

FREEDOMSとFREEDOMS II試験は、二年間の試験で、それぞれ1,272人、1,083人の再発寛解型MS患者が参加した。TRANSFORMS試験は、一年間の試験で、1,292人の再発寛解型MS患者が参加した。三つ全ての試験に、18歳から55歳までの患者が含まれていた。

若くして発病したMS患者は、高い再発率と疾患活動を示すことが知られており、進行型MSへと若い年齢で進行する可能性が高くなる。研究チームは、この理由から、20歳までの患者(最も若いグループ)と30歳までの患者(若いグループ)について三つの臨床試験のデータに着目し、20歳および30歳までの若い患者グループと、MS患者全体との結果の比較を行った。

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年間再発率は、最も若いグループおよび若いグループでは全体のMS患者に比べて高かった。FREEDOMS試験では、再発率は、0.73(20歳グループ)、0.57(30歳グループ)、0.40(全体)であり、同じ数字はFREEDOMS II試験では、0.67、0.51、0.40、TRANSFORMS試験では、0.60、0.48、0.33であった。

ジレニアによる治療を受けた患者では、全ての年齢で、プラセボ薬やアボネックスよりも年間再発率が大幅に低かった。しかし、年間再発率の低下は、患者の年齢とは逆の相関を持っていた。つまり最も若い患者(20歳以下)では、ジレニアは最も大幅な年間再発率の低下を示していた。その低下率は、プラセボに比較して、それぞれ79%(FREEDOMS)、59%(FREEDOMS II)であり、アボネックスに比較して77%低かった(TRANSFORMS)。

疾患活動は、新規や新たに拡大した脳の損傷の数をMRIで検出することによって示唆されるが、三つの臨床試験すべてにおいて若い成人で最も高かった。しかし、ジレニア治療は、これらの患者でプラセボやアボネックスに比較して、大幅に損傷の数を減らすことにつながっていた。

最も若いMS患者グループでは、ジレニア治療によって疾患活動が見られない状態であるNEDA状態に至る可能性も上昇していた。

ジレニアの安全性プロファイルは、若い成人で対照群と非常に似ていることも示された。

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これらの発見に基づき、研究チームは「若い成人は高いレベルのMS疾患活動を示し、フィンゴリモド(ジレニア)治療によって、患者全体に比較して、特に利益を得られるかもしれない」と結論付けた。

「若い患者で見られる高い炎症反応を効果的に抑えることによって、フィンゴリモドは脳の可塑性を取り戻すことを助け、回復メカニズムを促進するかもしれない」と研究者らは付け加えた。

ジレニアは、アメリカ食品医薬品局により承認された、10歳以上の子供や若者の再発型MS患者に対する最初の疾患修飾療法となった。この決定は、現在行われている第三相臨床試験であるPARADIGMS試験における、ジレニアとアボネックスの若い患者に対する効果の比較データによりサポートされた。

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参考:Gilenya Seen to Particularly Benefit Young Adults with Higher Relapse Rates, Trial Data Show