cannabis_1


多発性硬化症(MS)を始めとする神経変性疾患の症状に対して、医療用大麻の有用性を調べる研究が行われてきている。しかし、使用法や患者にとっての入手しやすさの改善に関しては、まだやるべきことが多く残されている。

University of ColoradoのMatthew Makelky博士が、2018 Annual Meeting of the Consortium of Multiple Sclerosis Centers(CMSC)で、MSに対する大麻使用の現状と発展について発表した。


大麻は、100種類以上の薬理活性を持つ化合物(カンナビノイド)を含んでいる。多くの研究は、そのうちのテトラヒドロカンナビノール(THC)カンナビジオール(CBD)について行われてきた。この二つの化合物は、MSに伴う痙性を改善したり、発作の管理、炎症、痛み、不安などの症状に対する性質について評価されてきた。

特にCBDは、THCのような向精神薬としての活性を持たないため、より大きな治療上の潜在性を秘めている。ただし、CBDも眠気、食欲の低下、下痢、疲労、痙攣のような副作用との関連が報告されている。

関連記事【CBDオイル】線維筋痛症や多発性硬化症の痛みに対する有効性


THCは、大麻を使用した際の高揚感を引き起こす化合物として知られ、神経に対するリスクを増すと考えられている。THCは、若年者が使用した場合には脳発生の異常、認知機能の障害などにつながるだけでなく、慢性的な精神病のリスクを上昇させることが知られている。

アメリカ神経学会によれば、大麻抽出液や合成THCを使用することで、MS患者の痙性に関連した症状や痛みを改善できる。

一方で、Sativexのような口腔粘膜へのカンナビノイドスプレーや、大麻の煙の吸引については、有効性に十分な証拠が得られていないという。

Makelky博士によれば、MSに関連する泌尿器の症状や震えの治療については、どのような形のカンナビノイドも有効性に関する十分な証拠が得られていないという。

関連記事大麻由来成分が多発性硬化症モデル動物のミエリン回復を促進する


いくつかのカンナビノイドに基づく医薬品は、既に市販されており、他にも開発中のものもある。カンナビノイド化合物は、それぞれが異なる効果を持っているため、適切な投与量と投与方法を見つけることと、適切な使用頻度を見つけることには困難が伴い、リスクもはらんでいる。

また、カンナビノイドは他の医薬品と相互作用することで、効果の上昇や低下につながる可能性もあるため、使用には患者と医療関係者との相談が必要である。

総合すると、大麻由来の化合物は、MS治療と特定の病状を助けるのに有効な潜在性を持っているとMakelky博士は言う。ただし、これらの化合物に関する「複雑な代謝と相互作用プロファイル」についてはまだ多くの研究すべきことがあると博士は付け加えた。








参考:#CMSC2018 – Pharmacist Discusses Advances, Challenges in Cannabinoids Research to Treat MS