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酸化ストレスを引き起こす酵素であるミエロペルオキシダーゼの働きを阻害することで、多発性硬化症(MS)モデル動物の血液脳関門が保護され、免疫細胞の脳への移行と神経細胞への攻撃が抑えられることが明らかになった。

血液脳関門の破綻は、MSなどの様々な疾患の特徴であり、この組織が破壊されると免疫細胞などが中枢神経へ侵入することを防げなくなる。

テネシー州ナッシュビルで開催された2018 Consortium of Multiple Sclerosis Centers Annual MeetingでミエロペルオキシダーゼとMSに関するこの最新の研究が発表された。


骨髄(ミエロイド)細胞は、活性酸素種を放出することで、酸化ストレスと呼ばれる状態を作り出し、神経細胞の損傷とミエリン鞘の破壊を引き起こすことがある。

ミエロペルオキシダーゼは、最も強力な活性酸素産生酵素のひとつで、負傷などの炎症を引き起こす脅威にミエロイド細胞が反応してこの酵素が放出される。過去の研究によって、ミエロペルオキシダーゼがMSの損傷部位に存在することが知られており、この酵素が血液脳関門を壊すことも示されていた。

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研究チームは、この酵素の働きを抑えることで、血液脳関門の保護効果を得られるのではないかと考え、ミエロペルオキシダーゼの阻害剤であるKYCN-acetyllysyltrosylcysteine amide)を開発した。

以前の研究により、MSのモデル動物であるEAEマウスにKYCを与えることで、症状のスコアを下げることができることが知られていた。

さらに、KYCによる治療によって、中枢神経のミエロペルオキシダーゼ量が減るだけでなく、侵入したマクロファージや好中球などの免疫細胞の数も減っていた。

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今回、新たに発表されたのは、KYCが血液脳関門に与える影響だ。

ミエロペルオキシダーゼをKYCによって阻害することで、中枢神経におけるミエロイド細胞の数が減少し、EAEマウスの症状が最終的に回復した。

重要なことに、KYCの投与によって、EAEマウスの血液脳関門の再形成が観察された。

これらの結果から、Dittel博士は、「KYCによるミエロペルオキシダーゼの阻害は、MS治療のための安全な方法となるだろう」と結論付けた。








参考:#CMSC2018 — Inhibiting Oxidative Stress Enzyme Promotes Resealing of Blood-Brain Barrier in MS Mouse Model