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新たな研究によって、多発性硬化症(MS)の症状の進行を予想できるリスク因子が明らかになった。発症年齢、早期再発の回数、通常時の脳損傷の程度という因子から、再発寛解型MSから二次進行型MSへと進行するリスクの高い患者を同定できるという。

この研究は、Neurology誌に掲載された。

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再発寛解型MSは、しばしば二次進行型MSへと症状が進行し、治療がより難しくなる。この進行は今のところ予想が難しく、その変化のメカニズムはよく分かっていない。

予想に使えるバイオマーカーがないため、二次進行型MSを発症するリスクの高い患者を見分けることも難しい。二次進行型MSへと進行すると、より激しい治療が必要となってしまう。

脳には、白質と灰白質とよばれる二つの部位がある。灰白質における損傷が、MS患者での長期間の障害の蓄積には重要であると考えられている。特に、皮質の損傷と萎縮は、大脳皮質とよばれる脳の部位へのダメージを表しており、二次進行型MSへの変化に関連している。

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二次進行型MSへの進行について理解を深めるために、研究チームは皮質の変化、早期再発の回数、およびMSの長期的な進行の間の関連性について研究を行った。

この研究の中では、219人の再発寛解型MS患者を対象に、多くの因子が評価された。例えば、皮質損傷の数、白質損傷の数、皮質の厚さなどがMS発症時と平均7.9年の間、調査された。

調査開始から平均6.1年後には、全体の27%に当たる59人の患者が二次進行型MSを発症した。

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患者のうち、MS発症時点でより多くの皮質損傷部位を持っていた者は、二次進行型MSに進行するリスクが高かった。具体的には、皮質損傷部位が2か所ある患者では、二次進行型MSのリスクが2.16倍高く、4か所ある患者では4.79倍高く、7か所以上ある患者では12.3倍高かった。

そして、皮質損傷部位の多い患者では、二次進行型MSに進行するまでの時間も短い傾向があった。

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さらなる分析のため、患者らは、最初の二年間に起こった再発(早期再発)の数をもとに、低い早期再発(1回)、中程度(2回)、高い早期再発(3回)の三つのグループに分類された。

高い早期再発に分類された患者では、低いあるいは中程度の早期再発の患者に比べて、MS発症時の皮質損傷の容積が大きく、その後もより多くの皮質損傷が発生した。彼らは白質損傷の容積も大きく、経時的な皮質の萎縮も大きく、二次進行型MSへの進行も早かった。

統計的な分析によって、MS発症年齢の遅さ、通常時の皮質損傷の数、白質損傷の容積の大きさ、皮質全体の厚さの早期変化、三回以上の早期再発という因子を用いることで、それぞれ独立に二次進行型MSへの進行の起こりやすいさを予想できることが示された。

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研究チームの仮説によれば、発症時の皮質への損傷は、炎症活動の程度に関連しており、二次進行型MSへの進行のしやすさに影響するため、これにより病気の進行を予想できると考えられる。

これらの結果に基づき、研究チームは「発症年齢、早期再発の回数、通常時の皮質損傷によって、進行リスクの高い患者を同定し、より強力な治療による恩恵を得られるかもしれない」と結論付けた。






参考:Study Examines Factors That Increase Risk of Progressing from RRMS to SPMS