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新たに発表された総説によれば、残念ながら、ほとんどのサプリメントは心臓保護作用を持たないようだ。しかし、葉酸だけは心臓発作を防ぐ可能性がある

サプリメントは、食品だけでは不足しがちな栄養素を補う目的で使用される。しかし、一部のサプリメントには、がんや心臓病などの慢性的な疾患を防ぐとされるものもある。

例えば、ビタミンA、E、Cは、がんを防ぐ可能性が示唆されていたり、葉酸、ビタミンE、ビタミンDには、心臓疾患を防ぐ効果があるかもしれないと考えられている。しかし、科学的にはこれらの効果には議論の余地がある。

そこで、University of Torontoの研究チームは、ビタミンやミネラルのサプリメントが心臓に与える効果について検証するため、これまでに行われた研究を総合して評価した。

この研究は、Journal of the American College of Cardiology誌に発表された。

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ほとんどのサプリメントは、心臓保護作用を持たない


2014年に米国予防医療専門委員会は、「現在、マルチビタミンを摂取することで心臓疾患やがんを予防できると言えるだけの十分な証拠はない」と発表した。

今回の研究は、この予防医療専門委員会の発表をまたいで、2012年から2017年までに発表された179の無作為的試験を分析の対象とした。

データベースとしては、Cochrane library、MEDLINE、PubMedが用いられた。

この分析によって、四つの最も一般的なサプリメントであるビタミンD、カルシウム、ビタミンC、およびマルチビタミンは、心臓保護作用を持たないことが明らかになった。

研究チームは、これらのサプリメントが心臓病、心臓発作、心筋梗塞などを防ぐ証拠を見つけることができず、寿命を延ばす効果も発見されなかった。

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葉酸は心臓発作のリスクを減少させる


多くのサプリメントには効果が見られなかったが、ひとつだけ例外が存在した。

葉酸には、心筋梗塞を防ぐ効果があるかもしれない。無作為化されたある臨床試験(CSPPT)によって、葉酸を摂取した人では心筋梗塞のリスクが大幅に減ることが報告されていた。

葉酸を単独で摂取した場合には、心筋梗塞のリスクが22%減少していた。さらに、高血圧の人が通常の医薬品に加えて葉酸を摂取した場合には、心筋梗塞のリスクが73%減少していた。

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「CSPPTで報告された葉酸の投与による心筋梗塞と心臓疾患の減少は、米国予防医療専門委員会の提言の後に得られたサプリメント使用による心臓疾患リスクの減少に関する唯一の例です」と研究を行ったJenkins博士は述べた。

「このデータが、葉酸の食品強化に関するこれまでの臨床診療を変えるのに十分であるかどうかは、まだ議論の余地があります」と彼は付け加えた。






参考:Heart health: Supplements don't work, with one exception