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クラドリビン(Cladribine)による治療は、再発寛解型多発性硬化症(MS)のメモリーB細胞を選択的に消去することが報告された。

この結果は、American Academy of Neurologyの2018 Annual Meetingで発表された。


クラドリビンは元々は抗がん剤として開発されたが、再発寛解型MSに対する治療薬としても使える可能性がある。この薬は、MS発症に関与する白血球(リンパ球)を選択的に標的とすることで機能する。

この研究では、クラドリビンは皮下注射で投与された。経口投与型のクラドリビンは、マベンクラッド(メルク KGaA社)の名前でヨーロッパでは再発寛解型MSへの使用が承認されている。

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研究者らは、疾患修飾療法が適用できない患者に対する人道的使用プログラムを開発した。彼らの目的は、クラドリビンの皮下注射が、免疫細胞の一種であるメモリーB細胞に与える影響を評価することだった。この細胞は、過去の外来たんぱく質を“記憶”することで、次に同じ病原体が侵入した時には、より素早く強力な反応を可能にする。

メモリーB細胞はMSにも影響を与えることが知られており、ジレニア、テクフィデラ、レムトラダなどのMS治療薬は、メモリーB細胞の数を減らすことが示されている。

そこで、研究チームは、皮下注射のクラドリビンも他の疾患修飾療法の薬剤と同様に、メモリーB細胞の数を減らすのではないかと仮説を立てた。

クラドリビンの皮下注射試験に参加したMS患者は、白血球細胞の大幅な減少を起こさないように個人ごとに調整された量の薬剤を投与された。

そして12か月後、患者のメモリーB細胞の数が分析された。

その結果、12か月のうちに、クラドリビン治療は約85%の大幅なメモリーB細胞(CD19+ B細胞)の減少につながることが示された。

「クラドリビンは、アレムツズマブ(レムトラダ)と同様に、選択的に大幅で長期間のメモリーB細胞の消去を引き起こし、クラドリビンや他の効果的な疾患修飾療法薬の中心的な作用機序を作り出した」と研究チームは記述した。

チームはまた、「患者のリンパ球の反応に応じた個別化された投与量がクラドリビン使用に伴うリスクを下げる」ことを強調した。








参考:#AAN2018 – Cladribine Injections Deplete Number of Memory B-cells in RRMS, Study Shows