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ジェネンテック社の開発するオクレバス(オクレリズマブ)は、多発性硬化症(MS)患者において神経細胞損傷のバイオマーカーを減少させることが第三相臨床試験で示された。

この結果は、American Academy of Neurologyの学会(ロサンゼルス、4月21日~27日)で発表された。


脳脊髄液の中にあるバイオマーカーは、中枢神経系の健康状態を知るための指標だ。このバイオマーカーを用いることで、MSのメカニズムを知ることができるだけでなく、治療効果を測るために使うこともできる。

具体的には、NfL(neurofilament light chain)というたんぱく質と、白血球の一種であるリンパ球が脳脊髄液中のバイオマーカーとして知られている。

ジェネンテックは、オクレバスの作用メカニズムをより理解するために、再発型と一次性進行型MSの患者を対象に第三相臨床試験であるOBOE(NCT02688985)を行っている。

この試験では、被験者に対して24週間毎に600mgのオクレバスが静脈注射で投与された。

オクレバスの脳脊髄液バイオマーカーへの効果を調べるために、治療開始から12週、24週、および52週後の脳脊髄液を採取し、評価を行っていく。

再発型の患者の一部が対照群とされ、オクレバス開始前の12週間おきに2回、せき髄液を採取された。

中間評価として、オクレバス治療を受けた患者を治療開始後12週と24週の時点で検査し、対照群の患者は治療前に検査された。この分析は、40人の患者を対象とした。

この治療法の安全性の評価も行われた。治験に参加した全82患者が対象とされた。

重要な発見として、オクレバス治療を受けた患者では、NfLの平均値が12週後では24%低下し、24週後では47%低下することがわかった。

NfL値は、MSの病気の活性に関連することが知られている(関連記事:多発性硬化症の状態を血液検査で調べるための新たなバイオマーカー)。

オクレバス治療を受けた患者では、二種類の免疫細胞数も低下していた。CD19+B細胞と呼ばれるBリンパ球は12週後では86%低下し、24週後では82%低下したこの細胞は、MSの発症に関連があると考えられている。

一方で、CD3+ T細胞は、12週後では60%上昇、24週後では67%上昇した。

オクレバスの安全性については、過去の第三相臨床試験の結果と一致したという。一般に、患者のオクレバスに対する忍容性は高かった。

重大な感染は起こらず、悪性腫瘍や死亡例もなかった。44%の患者が注射時の反応を訴えた。重大な副作用として、痙攣が一例だけ報告された。









参考:#AAN2018 – Ocrevus Decreases Biomarkers of MS Patients’ Nerve Cell Damage, Phase 3 Trial Shows