カテゴリ:
researcher_2


治験薬イブジラストは、脳の萎縮を大幅に抑制することが第二相臨床試験のデータから明らかになった。この結果は、進行型多発性硬化症(MS)の治療法としてイブジラストが有効な可能性を示している。

これらの結果は、4月21日から27日にロサンゼルスで開催される学会2018 Annual Meetings of the American Academy of Neurologyの中で報告される予定だ。


イブジラストは、メディシノバにより開発されている経口投与薬で、炎症を引き起こすサイトカイン(IL-1ß、TNF-a、およびIL-6)を抑える働きがある。この治療法は、再発寛解型MSでの神経保護作用がこれまでに示唆されていた。

第二相臨床試験であるSPRINT-MS試験(NCT01982942)では、イブジラストの効果、安全性、忍容性などが、治療の選択肢が限られた進行型MS患者において評価された。

アメリカの28箇所の医療期間において、無作為化された255人の一次性および二次性進行型MS患者に対して、イブジラストあるいはプラセボ薬による治療の試験が行われた。

イブジラストは、毎日100 mgが96週間(1.8年間)投与され、24週毎に臨床とイメージングの結果による評価が行われた。

この治験の主な目的の一つは、治療期間における脳萎縮の変化をMRIにより評価することであった。

最終的な分析は、244人の患者に対して行われ、そのうち96週間の治験を完了したのは220人(86%)であった。

この試験の結果、イブラジスト処置により脳萎縮が大幅(48%)に抑制されることが示された。

さらに、イブラジスト群とプラセボ群とを比較すると、イブラジストによって重大な副作用の発生率は上昇せず、治療の中断率も変化はなかった

研究チームによれば、「イブラジストでよくみられる副作用には、胃腸症状(吐き気、下痢、痛み、嘔吐)、発疹、うつ、疲労が含まれる」という。

この試験では、磁化移動比率と拡散テンソル撮像法による、MS進行の評価も行われた。

その結果、イブラジストは磁化移動比率の大幅な減少(77%から82%)を起こし、統計的に有意ではないものの、横方向拡散率(transverse diffusivity)の改善傾向も示した。

研究チームは、「イブラジストは、脳萎縮の主要な結果を満たした。安全性と忍容性は好ましいものだった。これらの結果は、進行型MSへの潜在的な治療法として、イブラジストをさらに研究することを支持する」と結論付けた。







参考:#AAN2018 — Investigational Therapy Ibudilast Slows Brain Atrophy in Phase 2 Trial for Progressive MS