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ギリシャでの研究によって、二次性進行型多発性硬化症(MS)の人々は、再発寛解型MSの患者に比べて、認知機能の低下が起こりやすいことが明らかになった。

この発見は、より進行しやすい形である二次性進行型MSが、認知機能にも影響を及ぼしやすいという長年の予想を裏付けるものだ。過去には、この仮説を裏付ける研究と、否定する研究の両方が報告されている。


この論文は、The Open Neurology Journal誌に掲載された。


神経認知の障害は、40%から65%のMS患者に影響を与えている。この障害は、病気のステージや有病期間、身体障害の程度とは無関係である。そして、時間とともに進行していく。

認知機能への影響とMSの型の関係については、これまでにも多くの研究が行われてきたが、しばしば矛盾する結果が報告されてきた。

そこで、University of Patrasの研究チームは、認知機能と言語機能とMSの型について研究を行った。彼らは、15人の再発寛解型MS患者、12人の二次性進行型MS患者、および12人の健常者について評価を行った。

被験者は、一連の神経心理学テストと言語テストを行った。

再発寛解型と二次性進行型のいずれも、健常者と比較すると認知機能の低下が見られた。これは、以前から知られている事実であった。

二次性進行型MS患者では、テストされたすべての分野で認知機能の問題がみられた。一方で、再発寛解型の患者では、初期の口頭での言葉の符号化(initial verbal word encoding)、言葉の統合(word consolidation)、口頭で伝えられた情報を後で思い出すこと(delayed recall of verbal information)、という三つの分野での障害が見られた。

興味深いことに、再発寛解型の患者と健常人では、言葉の流暢さには違いが見られなかった。つまり、この機能は病気の進んだステージでのみ影響を受けることが示唆される。

様々なテストによっても、二次性進行型MS患者の認知機能がより大きな障害を受けていることが明らかにされた。特に、口頭での符号化と新しい事柄の処理に関しては顕著であった。加えて、二次性進行型MS患者では、精神処理速度の低下も見られた。

その他の違いとして、二次性進行型患者では再発寛解型に比べて、行動を扱う実行機能が大きく低下することも発見された。

研究チームによれば、この発見は、「MS患者が臨床上の分類に関係なく、健常者に比べて重度の欠落を抱えており、病気の進行と再発寛解型から二次性進行型への変化によって悪化するという予想を確認した。」

「つまり、進行型では再発寛解型に比べて、比較的大きな認知機能の低下を示すことが確認された。」

ただし、全体的な認知機能については、二つの型のMSは類似した傾向を示した。全体的な認知機能には、学習、批判的思考、他者との効果的な交流、などが含まれる。

「全体的な認知機能には違いが見られなかったが、新しい情報の学習や精神処理の速度、必要以上の学習の防止能力、精神的柔軟性といった重要な認知機能では違いが見られた。これらの認知上の欠落は、日々の能力や生活の質に大きな影響を与える」と研究チームは述べた。







参考:SPMS Patients Have More Cognitive Decline Than Those with RRMS, Study Reports