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シポニモド(Siponimod)は、二次性進行型の多発性硬化症(MS)患者で障害が進行するリスクを下げることが第三相臨床試験で示された。

このNovartis社による試験の結果は、The Lancet誌で報告された。

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このEXPAND試験(NCT01665144)では、31か国の1,651人の二次性進行型MS患者を対象として、一日一回、2 mgのシポニモドあるいはプラセボ薬の経口投与が行われた。被験者は中程度から重度の身体障害を持っており、そのEDSSスコアは3.0から6.5であった。

シポニモドはプラセボ薬と比べて、3か月後の障害の進行スコアを21%減少させ、6か月後には26%減少させた。

さらに、シポニモドは患者の脳の萎縮をプラセボ薬に比べて23%遅らせ、二年後の年間再発率を55%減少させた。

その他に、イメージング法で検出された脳の損傷部位は、この治療法によって80%減少した。

この研究を主導した、スイスのUniversity Hospital Baselで教授を務めるLudwig Kappos氏はプレスリリースの中で、「今回の臨床試験が開始された時点で、多くの患者の身体障害がすでに進んだ状態であったことを考慮すれば、これらのデータは非常に印象的なものです」と述べた。

この期待の持てる結果を受けて、Novartis社はアメリカ食品医薬品局(FDA)にシポニモドを二次性進行型MSの疾患修飾療法として承認するよう申請する予定だ。

2018年の第三四半期にはEuropean Medicines Agencyへの申請も計画されている。

「このEXPAND試験による重要なデータによって、これまで強く求められていた安全で効果的な二次性進行型MS治療の選択肢が、もうすぐ実現されるという希望を患者や医療関係者に提供できます。これまで二次性進行型MSには治療の選択肢が限られていました」とNovartis社のDanny Bar-Zohar氏は言う。「我々はシポニモドをできるだけ早く患者に届けられるように、規制機関と協力を続けていきます。」

シポニモドは免疫細胞表面にあるスフィンゴシン‐1‐リン酸の受容体を阻害することで、免疫細胞が脳や脊髄に移動して損傷を起こすことを防ぐ。つまり、シポニモドは二次性進行型MSに関わる炎症過程を減少させる。

EXPAND試験では、シポニモドの安全性も確認された。シポニモド治療を受けた患者は、プラセボ群の患者と同様の数の重篤な副作用を示した。 

しかし、いくつかの副作用はシポニモド治療群でプラセボ群よりも多くみられた。それには血中の免疫細胞数の低下、肝臓酵素の上昇、心拍数の低下、高血圧、水痘感染が含まれた。







参考:Siponimod Reduces Risk of SPMS Patients' Disability Worsening, Phase 3 Trial Shows