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Merck KGaA社の開発する多発性硬化症(MS)治療薬エボブルチニブ(evobrutinib)が、再発型MS患者の脳と脊髄の損傷部位を劇的に減らすことが第IIb相臨床試験で明らかになった。

研究チームは第12、16、20、24週において損傷部位の数を測定した。

エボブルチニブ(別名M2951)は、BTKと呼ばれるタンパク質を阻害する経口投与薬だ。BTKは、抗体を作り出すB細胞やマクロファージ等の免疫細胞の発生と機能に重要な役割を担っている。

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BTKの機能を阻害することで、エボブルチニブは自己抗体産生細胞を抑制する。前臨床試験では、この薬がMSなどの自己免疫疾患に有効であることが示唆されていた。

現在行われている第2b相臨床試験(NCT02975349)には、再発型MSの患者267人が参加している。

参加者は、無作為にエボブルチニブ、プラセボ薬、あるいはテクフィデラを服用するグループに割り当てられた。テクフィデラは、再発寛解型MSへの使用が認可された疾患修飾療法の薬剤だ。

エボブルチニブを服用するグループでは、三種類の用量(低用量、中用量、高容量)が48週間に渡って試験された。

プラセボ薬のグループでは、24週間プラセボ薬を服用した後、24週間の低用量エボブルチニブを投与された。

治療法比較のグループでは、120 mgのテクフィデラを含むカプセルを一日二回、7日間服用し、その後47週間にわたって240 mgのテクフィデラカプセルを一日二回服用した。

研究者によれば、この試験の第一の目的は、治療の各段階においてNMRによって脳損傷部位の数を比較することであった。もう一つの目的は、患者の年間再発率(ARR)を評価することだ。

臨床試験のページによれば、研究チームは再発の定義として、「30日間以上神経症状が安定あるいは改善した後に、MSによる神経症状の出現、悪化、再発が24時間以上続き、かつ、発熱、感染、医薬品の副作用がないこと」としている。

加えて、再発は神経学的試験での悪化の新規兆候、あるいは患者のEDSSスコアの上昇を伴わなければいけない。

Merck KGaAのLuciano Rossetti氏はプレスリリースの中で、「我々は再発型MSにおけるエボブルチニブに関する初期の肯定的な結果に勇気づけられている」と述べた。

「この臨床試験を継続し、MSに対するエボブルチニブの臨床開発戦略の情報を得ていきたい」とRossetti氏は付け加えた。

エボブルチニブは現在、関節リウマチと全身性エリテマトーデスに対する治療法としても評価が行われている。







参考:Merck's MS Therapy Evobrutinib Significantly Reduces Brain Lesions, Phase 2 Trial Shows