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ニューヨークの研究チームは、地中海食が多発性硬化症(MS)の症状を減らし、生活の質を向上させるのに有効かどうかを調べるための予備実験を行っている。

研究を率いるのは、Icahn School of MedicineのIlana B. Katz Sand博士だ。

最近の研究により、ある種の腸内細菌がMSの症状を悪化させることが示されてきた。Sand博士が過去に参加した研究でも、MS患者炎症反応を引き起こす腸内細菌が多く、炎症を抑える最近が少ないことが示唆されていた。

我々の腸内に存在する細菌のバランスは、周囲の組織での免疫システムに影響を及ぼす可能性がある。また、腸内細菌が産生する分子が体内の離れた場所に移動することで、腸以外の部位に影響するかもしれない。

当然ながら、食事の内容を変えることで腸内細菌の組成に影響を与えることができる。


ある患者は、良い食事を摂ることで健康を維持しようとするかもしれない。一方で、健康に悪い食事は、エネルギーや、膀胱や腸の健康に影響し、あるいは免疫系を炎症状態へと移行させるかもしれない。

ただし、どのような食事がMS患者にとってベストなのか、現状では確たる証拠はない。

食事に関する臨床試験をデザインすることは、難しさを伴う。現在は、食事の変化がMS患者にもたらす影響を調べるための包括的な方法について、一部の研究者が模索し始めた段階だ。

Sand博士の研究チームは、MSなどの自己免疫疾患において、食事と腸内細菌が炎症や神経細胞の損傷に対して果たす役割を理解しようと研究している。

彼らの予備実験(NCT02986893)では、地中海食がMS患者の生活の質を向上させるかどうかを評価している。この研究は、National Multiple Sclerosis Societyによる支援で1月に開始され、4月に終了する予定だ。

Sand博士はニュースリリースの中で、「我々は炎症や神経損傷のプロセスをより良く知り、食事がMSの症状に与える影響について理解したいのです。我々の発見は、MSの発症や治療法を理解する上で大変重要なものになるかもしれません」と述べた。


地中海食は多発性硬化症を改善するか



地中海食は、魚、フルーツ、野菜、ナッツ、全粒穀物、そしてアボカドを含む。一方で、肉、乳製品、加工食品は含まない。

研究チームは、36人のMS患者を対象として、無作為に選んだ18人に6か月間、地中海食を摂ってもらい、他の18人にはコントロール群として通常の食事を続けてもらった。

制限された食事を続けるため、Sand博士らは毎月被験者とミーティングを行い、メニューの提案、レシピ、コツを患者らに与えた。患者らは、その食事による経験について議論した。また、メールでのやりとりも行われた。

コントロール群は、食事内容は変えなかったが、必要に応じてMSとの付き合い方に関する勉強会やセミナーに参加した。この予備実験の最後には、もし患者が希望すれば、栄養士が助言を行う用意がある。

地中海食による効果として、患者の血中の脂質やカロテノイド、尿中の塩分などの生物学的なパラメータへの影響が期待される。

全体的な健康への食事の影響を評価するために、研究チームはBMI、血圧、コレステロールと血糖値の変化を観察している。

食事が患者の日常を改善するかどうかという質問に答えるために、研究チームは生活の質に関するアンケート調査と神経心理学的なテストを行って、健康状態、疲労、うつ、認知機能の評価を行っている。

また、排泄物サンプル中の細菌の分析や、血液サンプルの免疫学的なプロファイリングも行っている。これは、食事の効果のメカニズムを解明するのに役立つかもしれない。

将来的には、チームは実験の参加者を増やす計画をしている。彼らは、いつかMS患者に腸内細菌を利用した治療法が提供できると信じていると述べた。






参考:Pilot Study Is Testing Whether Mediterranean Diet Can Help MS Patients