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新たな調査により、多発性硬化症(MS)の患者では内在的な心筋症に関連する心臓の問題が起こりやすいことが報告された。ただし、より進んだ技術による心臓血管の検査からの恩恵を受けられるかもしれない。

この論文は、Scientific Reports誌に掲載された。


MS患者における心臓機能の評価は、これまでほとんど行われてこなかった。行われたとしても、旧来型の二次元心エコーや組織ドップラー法などの方法に頼っており、小さな変化は見落とす可能性があった。

そこで、MS患者の心臓の問題についての我々の知識を深めることが必要とされていた。

いくつかの研究により、MS患者では、心筋梗塞、心臓発作、心不全による入院のリスクが診断から一年間の間に高まることが示されており、初期の心臓血管系の不調を早期に診断することが予防のために決定的であると示唆されていた。

そこで研究者らは、包括的な心臓血管系の評価をMS患者で行った。彼らは、年齢や性別をそろえたMS患者67人と健常者36人のグループについて、心臓血管のパラメータを比較した。


多発性硬化症患者では、心臓機能が低下していた



MS患者のうち、半数はインターフェロンかコパクソンを服用しており、残りは新たに診断された患者で、過去に薬物治療を受けたことはなかった。

MS患者も健常者も、高血圧、高脂血症、喫煙、肥満などの心臓のリスクファクターは同じ発生率であった。

心臓機能の不全をより高感度に検出するために、通常の方法に加えて、研究チームはスペックル追跡やリアルタイム三次元心エコーなどの新しい心エコーの方法を取り入れた。

これらの新しい技術によって、研究者らは、心臓の左側と右側の両方でMS患者は健常者よりも不調の発生が多いことを見つけた。

MS患者では、収縮期と拡張期の左側機能の低下、左心房の機能低下、拡張期の右側機能の不全、そして肺動脈の拡張期血圧の上昇を示していた。

しかし、動脈の機能に関連するパラメータや心臓への血液の供給、そして心不全はMS患者で変化はなかった。

また、インターフェロンやコパクソンによる変化はみられず、同じ心臓の不全が治療を受けている患者でも受けていない患者でもみられた。

研究チームは、MS患者での心臓血管系の問題の発生率が高いことについて、変異した筋肉が心筋に存在するためではないかと示唆する。もう一つの理由として、喫煙、高脂血症、運動不足などの心臓のリスクファクターがMS患者で頻度が高いこともあるかもしれない。

この研究は、MS患者で心筋の内在的な疾患に関連する心臓の不調が増加することを示している。この結果は、MS患者では包括的な心臓血管の検査を行うことの重要性について注意を呼び掛けており、より進んだ技術を使うことで、命に係わる心不全を防止する助けになるだろう。

「これらの発見は、日常の臨床活動で重要であり、この若くて活動的な人々が最高の水準の医療を分野をまたいだチームから受けるべきだと強調している」と研究者らは記述している。

「我々は、新しい心エコーの技術を心臓血管の機能不全をMS患者で早期に見つけるために使うことを提案する。なぜなら、それらは非侵襲的で、安価で、利用しやすいからだ」と研究チームは書き加えている。





参考:MS patients tend to have more heart problems, need better exams, study shows.