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妊娠中の女性は、赤ちゃんが正常に成長するように十分な栄養とエネルギーを摂らなければいけません。妊娠によって起こる変化に耐えられるように、母親が健康を保つことも重要です。


健康な妊娠のためには、バランスがとれた栄養豊富な食事が重要です。たんぱく質、炭水化物、脂質のバランスよく食べ、バラエティに富んだ野菜と果物を食事に取り入れましょう。

妊娠中の食事計画を作るためには、医師に相談することも重要になります。



目次



1.妊娠中の食事のルール
2.鉄分を多く採らなければいけない理由
3.妊娠中に避けるべき食品
4.サプリメント


1.妊娠中の食事のルール



妊娠中は、バラエティに富んだ食品をバランスよく食べることが重要です。


野菜と果物


一日あたり350グラムを目標に果物と野菜を摂取しましょう。ジュースや缶詰でも大丈夫ですが、一般に冷凍か生の野菜のほうが、ビタミンなどの栄養素が豊富です。

果物については、ジュースは糖分の過剰摂取につながりやすいので、生の果物を食べるほうが良いとされています。




でんぷんの豊富な食品


じゃがいも、米、パン、パスタなどのでんぷんが豊富な食品は、炭水化物の源として重要です。炭水化物は体のエネルギーになるため、健康な妊娠には大変重要です。

たんぱく質


健康的なたんぱく質は、魚、赤身の肉、鶏肉、そして卵に多く含まれています。また、植物性のたんぱく質も重要な栄養源として取り入れていきましょう。植物性のたんぱく源としては、以下のようなものがあります。

  • キヌア:「完璧なたんぱく質」として知られ、必須アミノ酸がすべて含まれています。
  • 豆腐などの大豆食品
  • 豆類、ナッツ類




脂質


脂質は、妊婦の食事では全体の30%を超えないようにしましょう。University of Illinoisでの研究によれば、高脂質食は、赤ちゃんの遺伝子発現に影響し、将来の糖尿病リスクを高める可能性が報告されています。

過剰な脂質摂取はその他のリスクにもつながるため、健康的な脂質として知られる一価不飽和脂肪酸やオメガ3脂肪酸が推奨されます。

一価不飽和脂肪酸は、オリーブオイル、ピーナッツオイル、サンフラワーオイル、キャノーラオイル、アボカド、ナッツ類および種子類に豊富に含まれています。


食物繊維


食物繊維は、全粒穀物、野菜、果物などに多く含まれています。

妊娠中に起こる便秘を防ぐためには、食物繊維を多くとることが効果的です。また、胎児が成長するにつれて起こりやすくなる痔を防ぐ効果もあります。


カルシウム


カルシウムは、チーズ、牛乳、ヨーグルトなどに多く含まれています。また、大豆、ブロッコリー、キャベツ、豆、オクラなどにも含まれます。


亜鉛


亜鉛は、胎児の正常な発達に重要です。細胞の統合や核酸代謝、たんぱく質合成に重要な役割を持っています。

亜鉛の豊富な食品は、鶏肉、ハム、えび、かに、カキ、肉、魚、豆、ナッツ、ひまわりの種、しょうが、たまねぎ、米、パスタ、シリアル、卵、豆腐などです。


2.鉄分を多くとらなければいけない理由



鉄分は、ヘモグロビンを作るためのの重要な成分です。ヘモグロビンは、赤血球の中にあるタンパク質で、酸素を体中に運ぶ役割をしています。妊娠中は、母体の血流量は通常時に比べて50%近くも増加するため、ヘモグロビンを作るための鉄分が多く必要になります。特に妊娠3か月から4か月にかけて、余分な鉄分が必要となりますが、多くの女性が妊娠の開始時点では、十分な鉄分の蓄えを持っていません。鉄分が足りないと貧血を起こす恐れがあり、貧血は以下のような様々なリスクを高めます。

  • 早産
  • 低体重児
  • 死産
  • 新生児の死
  • 妊娠中の母体の疲れ、いらいら、うつ

妊娠後期に貧血を起こした場合、出産時の大量出血のリスクが高まります。鉄分を多く含む食品には、以下のようなものがあります。

  • 豆類
  • ドライフルーツ(アプリコットなど)
  • 卵黄
  • 赤身の肉
  • カキ(ただし、妊婦が食べる場合は加熱が必要)
  • 鶏肉
  • アーモンドなどのナッツ類
  • 緑黄色野菜(ブロッコリー、ほうれん草、アスパラガス、ケールなど)
  • 全粒穀物

動物性でない鉄分は、動物性の鉄分に比べて体へ吸収されにくいです。赤身肉、魚、鶏肉などと一緒に採ると吸収性が改善されるでしょう。





3.妊娠中に避けるべき食品



以下の食品や成分は、妊娠中には摂取を控えるべきとされています。


魚に含まれる水銀


サメ、メカジキ、カジキなどは水銀を多く含むため、妊娠中に食べるのは避けましょう。


生肉あるいは不十分な加熱の肉


肉は、十分に加熱してから食べましょう。生の貝類も、微生物やウイルスの感染による食中毒を引き起こすことがあります。微生物やウイルスの一部は、胎盤を通じて赤ちゃんに悪影響を与えることもあります。


生卵


料理に入っている卵も含めて、生卵あるいは加熱が十分でない卵を食べてはいけません。生卵はサルモネラ菌の感染を起こすリスクがあるからです。


カビ熟成チーズ


青カビチーズ、ブリーチーズ、カマンベールチーズなどは、リステリア菌感染のリスクがあるため避けましょう。


妊娠中のアルコールは完全に控えるべきか?


世界中で、妊婦のアルコール摂取の最大許容量は、引き下げられる傾向にあります。胎児の肝臓は大人の肝臓ほどアルコールの処理能力がありません。アルコール摂取量が多すぎると、胎児の成長に重大な影響を与える可能性があります。ほとんどの医師は、妊娠中のアルコール摂取を完全に控えるようにアドバイスするでしょう。度を越したアルコール摂取は、胎児性アルコール症候群を引き起こすリスクもあります。


妊娠中はカフェイン摂取を避けるべきか?


カフェインを取りすぎると、低体重児のリスクが上がり、その後の赤ちゃんの健康に影響を及ぼします。また、流産のリスクも上昇します。

カフェインを含む食品はコーヒーに限らず、清涼飲料水、エナジードリンク、チョコレート、お茶などもカフェインを含みます。一部の風邪薬にもカフェインを含むものがあり、服用前に医師などに相談するのがよいでしょう。


4.サプリメント



サプリメントの服用は、医師に相談の上で行ってください。

鉄分


多くの女性は、食事から十分な鉄分を摂取できますが、一部の女性では鉄分の欠乏を防ぐために、鉄分のサプリメントが必要になります。副作用として、胸焼け、吐き気、便秘の症状が出ることがあります。これを避けるためには、食事と一緒に服用する、低用量から始めて徐々に用量を増やすなどするとよいでしょう。


葉酸


イギリスのNational Health Service(NHS)によれば、妊娠12週までは一日400マイクログラムの葉酸(folic acid)を摂取することが推奨されています。妊娠する前から葉酸の服用を開始することが理想的です。


ビタミンD


イギリスのガイドラインによれば、妊婦は一日あたり10マイクログラムのビタミンDを摂ることが推奨されています。日光を浴びることによってもビタミンDは生合成されますが、日光を浴びすぎると日焼けや皮膚がんのリスクを高めます。




亜鉛


Food and Nutrition Bulletinに掲載された論文によれば、観察研究によって亜鉛不足が母体と胎児に悪影響を及ぼすことが報告されています。彼らの研究によれば、亜鉛のサプリメントを飲んだ場合には、未成熟児の出産リスクが14%下がったということです。


ビタミンAのサプリメントは避けるべき


ビタミンAの過剰な摂取は胎児の成長を妨げる可能性があるため、妊娠中は避けなければいけません。例外として、母体がビタミンA不足に陥った場合などは、医師がビタミンAのサプリメントを服用するよう指導する場合もあります。