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糖尿病の治療法確立を目指す臨床試験DiRECTの一年目の結果が公表された。その結果によれば、厳密な体重制限さえすれば、投薬治療なしでも半数の患者で症状が寛解したという。


今回の臨床試験、Diabetes Remission Clinical Trial (DiRECT)は、Newcastle UniversityのTaylor教授らによって行われた。最近、The Lancet誌に掲載された論文では、厳密な体重管理をプライマリーケアの支援の下で行えば、Ⅱ型糖尿病の寛解が得られる可能性が示された。

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参加者は12か月間の過激な体重管理の結果、平均10キログラムの減量を達成し、そのうち45.6%では薬を飲むことなく糖尿病の症状が出なくなった。

Taylor教授によれば、大幅な減量によって参加者は肝臓とすい臓の脂肪が落ち、通常の仕事に復帰できたという。DiRECTの結果からは、体重を落とすことが単にⅡ型糖尿病をよりよく管理するというだけでなく、大幅な減量によって長期間の寛解へと導ける可能性があると言える。

今回の臨床試験がこれまでと違うところは、食事と運動による長期間の体重管理の必要性に重点を置いて、患者それぞれに最適となるよう柔軟な対応をしたことだという。

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厳密な体重管理


DiRECTの一年目の結果は、20歳から65歳までの298人のⅡ型糖尿病患者を対象に行われた。患者は2014年6月から2016年8月の間に、これまで6年間Ⅱ型糖尿病と診断されてきた人が集められた。

患者らは、スコットランドと北東イングランドの49のプライマリーケアや一般診療の病院へ通った。患者は無作為に2グループに振り分けられ、それぞれのグループには病院でCounterweight plusと呼ばれる過激な体重管理プログラムか、あるいは通常の最善とされるガイドラインのいずれかが行われた。

つまり、149人の患者が過激な体重管理プログラムを行い、149人が対照群として通常の治療を受けた。

最初の三か月から五か月は、体重管理プログラムの参加者は一日あたり855キロカロリー以下の食事を続け、その後、2から8週間をかけて通常の食事へと徐々に戻していった。

この臨床試験の間中、彼らは体重管理に関するサポートを受け、認知行動療法のセッションや身体的に活動的になるためのアドバイスを受けるなどした。

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半数近い参加者で糖尿病が寛解した


一年目の終わりには、体重管理プログラムを受けた四分の一近い人(149人中39人)が15キログラムの減量を達成し、平均で10キログラムの減量が得られた。一方で対照群の体重減少は平均1キログラムに留まった。

さらに、体重管理プログラムを受けた患者の半数近く(149人中68人)で糖尿病が寛解した。それに対して、対照群での寛解は6%の患者のみであった。

今回の試験の重要な結果は、体重の減少と糖尿病の寛解に強い関連が見られたことである。

15キログラムの減量を達成した人では、86%(36人中31人)で糖尿病症状の寛解が見られ、10キログラム以上15キログラム以下の減量では、57%の患者(28人中16人)で寛解が見られた。

体重管理を行ったグループでは、健康に関する数値も改善しており、中性脂肪、血中脂肪、血圧が低下した。その結果、このグループの約半数の患者が降圧薬を必要としなくなった。

DiRECTでは、四年間にわたって患者を追跡し、体重減少と糖尿病の寛解についての関係を確立する予定だ。

ただし、今回の試験では参加者のほとんどがイギリス白人である。そのため、その他の人種、特に低い体重増加でⅡ型糖尿病を発症する南アジアの人々に対しても、今回の結果が当てはまるかどうかは不明だ。

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【論文】
Primary care-led weight management for remission of type 2 diabetes (DiRECT): an open-label, cluster-randomised trial (The Lancet, 2017)

【参考記事】
Is this the formula for reversing type 2 diabetes? (Medical News Today)