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塩分の過剰摂取が高血圧を引き起こすことは良く知られているが、新たな研究によって、腸内細菌がこれを防ぐ可能性があることが報告された。


ドイツとアメリカの共同研究チームは、ある種の健康に良い腸内細菌(プロバイオティクス)が食塩を多く含む食事にどのように影響するかを研究し、プロバイオティクスに高血圧を防ぐ効果があることをNature誌で発表した。


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マウス実験で腸内細菌が高血圧を抑えることを発見


研究チームは、マウスを二つのグループに分け、一方には食塩を多く含む食事(4%の食塩を含む)を、他方には通常の食事(0.5%の食塩を含む)を与えた。

それぞれのマウスの腸内細菌を調べたところ、食塩を多く含む食事を与えたマウスでは、腸内細菌の一種Lactobacillus murinusが消えていることが発見された。また、食塩を多く与えられたマウスは、ヘルパーT細胞の一種で免疫反応を亢進するT-17細胞が増加していた。

また、高食塩の食事を与えたマウスでは高血圧の症状が出ることが確認された。

面白いことに、高血圧を発症したマウスにLactobacillusバクテリアを含むプロバイオティクスを与えたところ、ヘルパーT細胞の活性化は収まり、高血圧の症状もなくなった。


プロバイオティクスの高血圧に対する影響をヒトで試験


研究チームはさらに、ヒトでも同じ効果が得られるか初期実験を行った。12人の被験者を対象として6,000ミリグラムの食塩を二週間毎日与えたところ、マウスと同じ現象が確認できた。つまり、高食塩の食事によってT-17細胞の増加とLactobacillusバクテリアの減少、および高血圧の症状がヒトでも確認された。

さらに、高食塩の食事を与える前に一週間、一般的なプロバイオティクスを食べてもらったところ、血圧とLactobacillusバクテリアの数は正常な範囲内に収まるという結果が得られた。


まとめ


食塩の過剰摂取がTh-17細胞を活性化することはすでに知られていたが、これがどのように高血圧と関連するかは未だ不明である。しかし、今回の研究によって、腸内細菌を整えることで、高血圧が緩和される可能性が示された。





【論文】
Salt-responsive gut commensal modulates Th17 axis and disease (Nature)

【参考記事】
Salt raises blood pressure, but our gut bacteria can stop it (Medical News Today)