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新たな研究によって、性行為が心臓停止を引き起こすことは稀であるということが報告された。


心臓突然死


心停止は、心臓が電気的信号の乱れから突然拍動を止めることによって起こる。突然の心停止は死に至る場合が多く、これを防ぐための緊急の処置が必要とされる。

American Heart Association (AHA)によれば、2016年には米国で35万人が病院外での心停止を経験し、生存率は12%と低い。日本では、一年間で約6万人が心臓突然死により亡くなっている(日本不整脈心電学会)。

心臓突然死の起こりやすさは年齢、性別、人種、病歴に影響される。National Heart, Lung, and Blood Instituteによれば、 高齢男性、黒人、冠動脈疾患および糖尿病などの条件にあてはまる人は、心拍停止のリスクが高い。心停止が起こった場合の死亡率の高さから、そのリスクが高いと自覚する人は性行為などの特定の活動を控えようとするかもしれない。

しかしながら、Helsinki大学とCedars-Sinai Medical Centerの共同研究により、性行為の最中に心停止を起こすことは稀であるという結果が明らかにされた。この研究は、先日のAHA's Scientific Sesions 2017で発表された。


性行為による心拍停止の発生率は低い


研究者らは、2002年から2015年までの米国における成人100万人の医療記録を収集、分析した。この中には、4,557件の心拍停止のケースが含まれていた。

このうち、性行為に関連のあると考えられる心拍停止として、性行為の最中、あるいは性行為後1時間以内に発生したものを抽出した。

4,557件の心拍停止例のうち、34件(0.7%)のみが性行為と関連のあるものと考えられた。34件のうち、18件は性行為の最中に発生し、15件は性行為の直後に発生していた。

同論文では、年間の心拍停止のうち性行為に関連すると考えらえるものは、10万件に0.28件のみであったことも指摘されている。

男性と女性を比較すると、男性の方が性行為による心拍停止を起こしやすかった。男性の心拍停止例のうち1%が性行為に関連するものだったのに対し、女性ではその割合は0.1%と低かった。

性行為に関連する心停止の発生率において、心臓病歴や服用する医薬品によって統計的に有意な差は無かったが、病歴のうち、心室細動や頻脈は他の心臓病に比べて多く見られた。


まとめ


この研究により、性行為による心停止のリスクは決して高くなく、特に女性についてはリスクが低いことが示された。

性行為における心停止の例のうち、パートナーによる心肺蘇生法を受けたケースは全体の三分の一に留まっており、心肺蘇生法による救命に改善の余地があることが示唆された。

研究者らは、心肺蘇生法の重要性を広めることや、その方法の普及を今後の課題として指摘した。





【参考記事】
Don't worry, sex is unlikely to trigger cardiac arrest (Medical News Today)