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こんにちは!流浪の薬学博士まさです。

みなさんは健康食品って利用していますか?健康食品というのは、食べることで健康を維持したり増進したりする食品のことで、成分はサプリメントと呼ばれることもあります。

毎日少しのサプリメントを取るだけで、健康な体を維持できたら素晴らしいですよね。

でも、巷には星の数ほど健康食品が出回っていて、どれを選んだら良いか分かりにくいし、効果があると言っていても本当にどれくらい効くのか分からないですよね。

最近では、広く使われていたグルコサミンというサプリメントが本当は科学的には効果がなかったなんてニュースもありました。

僕は薬学の研究者をやっているのもあって、どうせなら科学的に証明されたサプリメントを飲みたいと思っています。

今回はそんな科学的根拠のあるサプリメントの一つとして、アスタキサンチンを取り上げて紹介したいと思います。


アスタキサンチンとは


アスタキサンチン(Astaxanthine)はエビやカニなどの甲殻類や鮭などの魚類に含まれるカロテノイドの一種です。

高い抗酸化作用を持つことから、最近では健康に良い成分として多くの化粧品やサプリメントに含まれています。

アスタキサンチンは長く伸びた共役二重結合を持っていて、この構造が活性酸素と反応しやすいことから抗酸化作用を持ちます。

Astaxanthin structure
アスタキサンチンの化学構造


美肌効果や目の疲労回復効果など様々な機能性を持つとされるアスタキサンチンですが、その機能性は科学的にどのように証明されているのでしょうか?

次に、アスタキサンチンの機能と我々の生活の中での役割について、臨床試験の結果などの科学的根拠をご紹介します。

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アスタキサンチンの美容・健康効果についての科学的根拠


肌へのアスタキサンチンの効果

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アスタキサンチンは高い抗酸化作用を持つことから、紫外線から肌を守る効果があると考えられ、ヒトでの臨床試験が行われています。

一例として、富士化学工業によって行われた試験では、30人の健康な女性に対して8週間の間、毎日6 mgのアスタキサンチンを飲むとともにアスタキサンチンの溶液を肌に塗って、肌に対する効果を見るという試験が行われました(論文1)。

その結果、目じりのしわの減少、シミの減少、肌質の改善が見られました。

また、アスタキサンチンの男性に対しての効果も検証されています。

無作為に選ばれた男性の被験者30人に対して、毎日6mgのアスタキサンチンを飲んでもらったところ、肌のしわや弾力性の改善が見られました。特に、肌の保湿性や皮脂の状態は大きく改善されました(論文1)。


目へのアスタキサンチンの効果

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パソコンのディスプレイを見て仕事をする人を対象として、アスタキサンチンが目の調節機能を回復させるという試験が行われています(論文2)。

この試験では、26人のパソコン仕事をする人を13人ずつ二つのグループに分け、一方にはアスタキサンチンを毎日5 mg服用してもらい、もう一方には偽薬を服用してもらいました。

4週間の試験の結果、アスタキサンチンを服用したグループでは偽薬を服用したグループに比べて、目の調節機能が有意に回復しました。

また、別の臨床試験では、アスタキサンチンと他の健康成分を併用した場合の効果が検証されています(論文3)。

目の衰えを感じている中年から壮年の被験者(45歳から64歳)に対して、アスタキサンチン4 mg、ルテイン(カロテノイドの一種)10 mg、ビルベリー抽出物20 mg、黒豆の殻の抽出物26.5 mg、DHA 50 mgを毎日、4週間にわたって服用してもらいました。

その結果、上記の有効成分を服用したグループでは偽薬を服用したグループに比べて、目の調節機能の改善が見られ、それによって肩や首の凝りや視界のぼやけなどの症状が大幅に改善しました。

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脳へのアスタキサンチンの効果

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アスタキサンチンの学習機能への効果を検証するために、臨床試験が行われています(論文4)。

物忘れを感じるようになった(ただし認知症は除く)45歳から64歳の被験者96人に対して、被験者を三グループに分けてアスタキサンチン(6 mgまたは12 mg)または偽薬を毎日服用してもらい、4週間後、8週間後、12週間後に認知機能のテスト(CogHealth batteryとGroton Maze Learning Test)を行いました。

12週間後には、12 mgのアスタキサンチンを服用したグループでCogHealthのスコアが改善しました。また、Groton Maze Learning Testでもアスタキサンチンを服用したグループ(6 mgおよび12 mg)では、偽薬を服用したグループに比べて学習速度が上昇しました。しかし、統計的に有意な差は得られませんでした。


酸化ストレスへのアスタキサンチンの効果

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肥満の被験者(BMI > 25)を対象として、アスタキサンチンの抗酸化効果を検証する臨床試験が韓国で報告されています(論文5)。

23人の被験者は、無作為に二つのグループに分けられ、一方には5 mg、もう一方には20 mgのアスタキサンチンを毎日、三週間のあいだ服用してもらいました。

三週間後、血中の酸化ストレスマーカーを測定したところ、酸化ストレスの度合いを表すマーカーが有意に減少し、抗酸化力をあらわすマーカーや指標は大幅に上昇しました。この結果は、アスタキサンチンが酸化ストレスを減らし、抗酸化力を増強したことを示唆しています。

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高脂血症へのアスタキサンチンの効果

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アスタキサンチンによって、善玉コレステロールとして知られるHDLが増加するという臨床試験の結果が報告されています(論文6)。

この臨床試験では、肥満、糖尿病、高血圧などの症状を持たず、軽度の高脂血症(空腹時トリグリセリド 120 mg/dLから200 mg/dL)である被験者61人(25歳から60歳)を対象に、アスタキサンチン(0、6、12、18 mg/日)を12週間服用してもらいました。

その結果、BMI値やLDLコレステロール値は変化しませんでしたが、HDLコレステロール値が有意に増加しました。さらに、アスタキサンチンを12 mg/日または18 mg/日ずつ服用したグループでは、トリグリセリドの有意な減少とアディポネクチンの上昇も見られました。


免疫系へのアスタキサンチンの効果

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アスタキサンチンの服用によって、DNAの障害が減少し、免疫系が活性化することが韓国で報告されています(論文7)。

平均21.5歳の女子大学生を被験者42人を三つのグループに分け、アスタキサンチンを0、2、8 mg/日ずつ8週間に渡って服用してもらい、免疫細胞の働きを調べました。

その結果、服用開始から四週間後にはアスタキサンチン服用グループではDNA障害が減少しました。さらに試験を続けると、アスタキサンチンを服用したグループでは免疫T細胞やB細胞の数が増加しており、ナチュラルキラー細胞の活性も上昇するという結果が得られました。


まとめ

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アスタキサンチンは我々の身の回りの製品に広く使われていますが、その効果は科学的にも実証されたものだということが分かりました。

ただし、科学的に効果があるとは言っても、その効き目には個人差がつきものですので、自分に合った使い方や量を探していくことが重要です。

しばらく使っても効果が実感できなかったり、副作用を感じた場合には、使用を中止して必要ならば医師に相談しましょう。

高価なものを使う必要はありませんので、気軽に2、3か月試してみてはいかがでしょうか。

アスタキサンチンを賢く使うことで、より快適で健康な生活を送りましょう!





【論文】
  1. Cosmetic benefits of astaxanthin on humans subjects (Acta Biochem Pol, 2012)
  2. Effects of Astaxanthin on accomodation, critical flicker fusion, and pattern visual evoked potential in visual display terminal workers (J. Trad. Med. 2002)
  3. Effect of Multiple Dietary Supplement Containing Lutein, Astaxanthin, Cyanidin-3-Glucoside, and DHA on Accomodative Ability (Curr. Med. Chem. 2014)
  4. Effects of astaxanthin-rich Haematococcus pluvialis extract on cognitive function: a randomised, double-blind, placebo-controlled study (J. Clin. Biochem. Nutr. 2012)
  5. Effects of astaxanthin on oxidative stress in overweight and obese adults (Phytother Res. 2011)
  6. Administration of natural astaxanthin increases serum HDL-cholesterol and adiponectin in subjects with mild hyperlipidemia (Atherosclerosis, 2010)
  7. Astaxanthin decreased oxidative stress and inflammation and enhanced immune response in humans (Nutr. Metab. 2010)