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コーヒーを飲むことで慢性的な腎臓病患者の生存の助けになるかもしれないという新たな研究が発表された。


研究者らは、慢性腎臓病(chronic kidney disease)の患者のうち、カフェインを多く摂取する者は、そうでない患者に比べて死亡するリスクが四分の一減少するということを見出した。この研究成果は、米国ニューオーリンズで開催されたKidney Week 2017で発表された。

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慢性腎臓病とは


慢性腎臓病は、腎臓が徐々に血液の浄化機能を失っていく進行性の病気だ。慢性腎臓病は、長い時間をかけて腎機能障害や末期腎不全を引き起こし、これらに対しては腎臓移植や透析しか治療の手だてがない。

米国では3000万人の慢性腎臓病患者がいると推定され、腎不全患者は約66万人おり、年間4,8000人が腎臓病が原因で死亡している(死因第9位)。日本では、慢性腎臓病患者は1,300万人いると言われ、慢性腎不全の総患者数は約30万人である(厚労省調べ)。腎不全での死亡者数は、年間2,5000人で日本人の死因第七位となっている。

慢性腎不全患者でカフェインの効果を調査


カフェインが寿命を延ばすという結果は、これまでの調査で指摘されていたが、これが慢性腎不全の患者にも当てはまるかは不明であった。そこで研究チームは、1999年から2010年までのNational Health and Nutrition Examination Surveyのデータを分析し、2,328人の慢性腎臓病患者を抽出した。

研究チームは、カフェイン消費量によって患者を四つのグループに分けた。
  • 第一グループ:一日のカフェイン消費量 29.5 ミリグラム(mg)以下
  • 第二グループ:一日のカフェイン消費量 30.5 mg以上101 mg以下
  • 第三グループ:一日のカフェイン消費量 101.5 mg以上206 mg以下
  • 第四グループ:一日のカフェイン消費量 206.5 mg以上1,378.5 mg以下
それぞれのグループの全死因での死亡率を比較したところ、第一グループに対して、かふぇいん消費の最も多い第四グループは死亡率が24%低く、第二、第三グループもそれぞれ12%と22%死亡のリスクが低いことが明らかになった。

この死亡率の違いは、患者の年齢、性別、人種、血圧、喫煙、BMIを含む様々な要素を考慮しても有意であった。

まとめ


今回の調査は、統計のみに基づくもので、カフェイン摂取と死亡率低下の因果関係を証明するものではない。しかし、慢性腎臓疾患患者に対しても、コーヒーを飲むという簡単な行為で健康に良い影響が得られることを示唆している。

ちなみに、コーヒー一杯(100 mL)に含まれるカフェインは60 mgとされているので、一日に3杯ちょっと飲めば第四グループに入れる。他の飲料は、紅茶なら一杯(100 mL)で30 mg、玉露はなんと一杯で160 mgのカフェインを含んでいる(参考:全日本コーヒー協会)。玉露を一日一杯飲めば、あなたももっと長生きできるかもしれない。



【参考記事】
Caffeine may prolong life for kidney disease patients (Medical News Today)