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オーフス大学の研究チームは、主に女性が発症する原因不明のてんかん様発作psychogenic non-epileptic sezures (PNES)の原因は、神経に作用するホルモンの減少である可能性があることをStress誌に発表した。

デンマークでは、約2000人もの患者(その多くは女性)がてんかんの痙攣に似た発作であるPNESに苦しめられている。この痙攣は、これまで単に精神的な理由で引き起こされると考えられてきており、身体的な原因は不明で、有効な予防法や治療法は存在しなかった。

オーフス大学の研究チームは、PNES患者ではNeuropeptide Y (NPY)と呼ばれるホルモンが減少していることを突き止めた。NPYは、ストレスへの耐性に関連するホルモンとして知られている。PNES患者は、性的、精神的、身体的な様々な虐待を受けていることや、低い生活の質にさらされていることが多いことも報告された。

PNESの症状は、手足や頭部の痙攣を引き起こすてんかんの発作に似ており、数秒から数時間に及ぶこともある。PNES患者にはてんかんの治療が施されることが多いが、症状は改善することなく、てんかん薬の副作用だけが現れる。

PNESは「functional disorder(機能性障害)」の一つとされるが、これに分類されるのは、原因が身体的なものか精神的なものか分かっていない病気だ。PNES患者の多くは、病院での負担の大きい検査を受けてから、精神科クリニックを受診した後、最後に機能性障害の専門クリニックへと回される。

今回の研究では、15人のPNES患者の血液と60人の対照群の血液の中の様々なホルモンの量が計測された。PNES患者の血液には、NPYの量が有意に減少していたことに加えて、様々なストレスに関連するホルモン量が変化していた。このホルモン変化は、心的外傷後ストレス症候群(PTDS)の患者で見られる変化と同様であった。

今回の発見は、PNESの身体的な原因を初めて示唆するもので、この病気のより良い診断法や治療法の開発のための大きな一歩であると研究チームは考えている。ストレス時に産生されるNPY量は、遺伝的に決まっており、ある人はストレスにより強く抵抗性を示し、また別の人はストレスに特別に脆弱なこともある。将来は簡単な血液検査によってNPYを測ることによって、ストレス耐性やPNESへのかかりやすさを判別できるようになるかもしれない。



【論文】
Vulnerability to psychogenic non-epileptic seizures is linked to low neuropeptide Y levels (Stress)

【参考記事】
Inexplicable spasms can now be explained with hormones (Science Daily)