カテゴリ:
baby_1
出産時にへその緒(臍帯)をクランプで締めるのを60秒間待つだけで、何千人もの早産児の命が救われるかもしれない。最近発表されたレビューによれば、臍帯クランプを少し遅らせるだけで病院での早産児の死亡率が三割減少するということが証明された。

University of Sydneyの研究グループは、妊娠37週以前に生まれた早産児約3000人のデータを18の試験から集め、健康状態や死亡率について臍帯を出産直後にクランプした場合と遅れてクランプした場合の比較を行った。この調査によって、遅れて臍帯クランプを行った場合には、病院での死亡率が3分の1減少し、母親と新生児の両方にとって安全であるという証拠が明確に得られた(論文1)。

さらにこのレビューの中では、遅れてクランプすることでその後の輸血が減少し、新生児のヘマトクリット値が上昇することが発見され、胎盤からの血液の流入が起こっていることが確認された。研究チームは、今回の研究は臍帯クランプを60秒遅らせるだけで早産児の生存率が上昇することを示した初めての研究で、特段の必要がない場合には早産児の臍帯クランプを遅らせるという国際的なガイドラインの正しさを証明するものだ、と述べた。

遅れて臍帯クランプをすることで、出産予定日より10週以上早く生まれた早産児1000人あたり、最大100人の命を救うことができると試算される。世界的に見れば、毎年11,000人から10万人もの命が救われる計算だ。

このレビューは、Australian Placental Transfusion StudyによりNew England Journal of Medicine誌に今週発表された研究結果を補完するものだ(論文2)。Australian Placental Transfusion Studyでは、7か国の25病院から集められた1,566人の10週以上早く産まれた早産児のデータを分析した。出産直後に臍帯クランプをした場合の死亡率が9 %だったのに対して、遅れて臍帯クランプをした場合は死亡率が6.4 %と有意に低かった。



【論文】
1. Delayed Versus Early Umbilical Cord Clamping for Preterm Infants: A Systematic Review and Meta-Analysis (American Journal of Obstetrics and Gynecology)

2. Delayed versus Immediate Cord Clamping in Preterm Infants (The New England Journal of Medicine)

【参考記事】
Wait a minute! Clamping the umbilical cord later saves preterm babies' lives (Science Daily)