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乳がんのリスクファクターとなる遺伝子についての研究論文が、2報発表された。一本目のNature誌に発表された論文では、10万例を超える乳がん患者について遺伝子型が調査され、65の新たな遺伝子変異が発がんリスクに関連するものとして同定された。

もう一方のNature Geneticsに発表された論文では、Estrogen受容体(ER)陰性の乳がんに限定して研究が行われ、関連するものとして10の遺伝子変異が特定された。ER陰性の乳がんは陽性のものよりも例数は少ないが、予後が悪いことが知られている。

Nature誌に掲載された論文では、OncoArrayという技術を使って、全ゲノム上の一塩基置換(SNPs)解析を約6万人の乳がん患者について行い、以前のデータと合わせて約10万例の患者から110万のマーカーについてのデータを得た。解析の結果、今回新たに発見された65の遺伝子変異は、家族性乳がんのうちの4 %の原因となっているという。

Nature genetics誌に掲載された論文では、同じデータの中からER陰性の乳がんの例だけを抽出した。これに加えて、ER陰性乳がんとしてすでに知られていたBRCA1変異を持つ乳がんの例を加えて、解析を行った。その結果、10の新規遺伝子変異をER陰性乳がんに関連するものとして同定した。これらの変異により、遺伝性のER陰性乳がんのうち1.5 %の原因を説明できる。

今後、同研究チームはこれらの結果をもとに、乳がんのリスク予想を改善することに取り組むという。

【論文】
1. Association analysis identifies 65 new breast cancer risk loci (Nature)
2. Identification of ten variants associated with risk of estrogen-receptor-negative breast cancer (Nature Genetics)

【参考記事】
Genetic Risk Factors for Breast Cancer Identified (The Scientist)