カテゴリ:
fittness_1

製薬会社Amgenの研究者らは、肥満の動物を使った実験で痩せる効果のあるプロテイン(タンパク質)を開発した。このタンパク質を使うことで肥満の治療が可能かもしれない。

この研究は、Science translational medicine誌に発表された。

研究チームは、肥満のマウスと肥満でないマウスの分泌タンパク質をマイクロアレイで比較することで、macrophage inhibitory cytokine 1/growth differentiation factor 15 (GDF15)と呼ばれるタンパク質が肥満の動物の肝臓や脂肪組織に増加していることを突き止めた。しかも、マウスだけでなく、肥満のラットや人間でも血中のGDF15量が増加していた。

そこで、肥満マウスにGDF15をウイルスで投与したところ、体重の減少、血中コレステロール、インスリン、食事量の低下を起こした。また、GDF15のタンパク質自体を直接投与しても、肥満のマウスとサルで体重減少が起こった。

さらに研究チームは、体内での安定性を改善した改良型GDF15を作製し、その評価を行った。肥満サルに改良型GDF15を投与した結果、6週間後には体重が10 %減少した。GDF15を投与されたサルは、空腹になりにくくなり、高脂肪な食事よりも普通の食事を好むようになったという。

GDF15の作用メカニズムはまだ明らかではないが、GDF15が腸の神経に作用することで、食欲を調節しているのではないかと考えられている。現在、AmgenだけでなくJanssen、NGM Bio、Eli Lilly、Novo NordiskらがGDF15の製品化を試みており、新たな肥満の治療法となることが期待される。

【論文】
Long-acting MIC-1/GDF15 molecules to treat obesity: Evidence from mice to monkeys (Science Translational Medicine)

【参考記事】
A Molecule to Treat Obesity? (The Scientist)