米国の3,000万人に及ぶ糖尿病患者のうち、90 %はⅡ型糖尿病に分類される。Ⅱ型糖尿病では、体内で分泌されたインスリンが効果を失い、正常に血糖値を低下させられないことが原因となっている。このⅡ型糖尿病に用いられる薬剤のひとつとして、glucagon-like peptide-1 (GLP-1)受容体作動薬のsemaglutideが用いられるが、現時点で、この薬剤は注射により投与する必要がある。

より簡便な経口投与の実現を目指して、錠剤型のsemaglutideの臨床試験が現在イギリスで行われている。今回発表された第二相臨床試験では、26週間にわたる試験によって、錠剤型semaglutideの血糖値制御効果が確認され、プラセボとの有意な差が確認された。この結果により、錠剤型semaglutideの治験は、より大規模な第三相臨床試験へと進む見込みだ。

今回の第二相臨床試験では、632人のⅡ型糖尿病患者に対して、錠剤型semaglutideの血糖値制御の効果が試験された。患者は錠剤型semaglutide群、注射型semaglutide群、およびプラセボ群に分けられ、26週間にわたって薬を投与された。その後、指標として、グルコース化されたヘモグロビン量であるHbA1cが測定された。錠剤型semaglutideを投与された患者では、HbA1cはsemaglutide投与量に依存して平均 -0.7 %から -1.9 %と減少した。注射型semaglutideとプラセボのHbA1c変化は、それぞれ、-1.9 %、-0.3 %であった。

今回の試験では、もとは7.9 %であったHbA1cを7 %まで下げることが目標とされたが、錠剤型semaglutideを投与された患者は投与量に応じて、44 %から90 %がHbA1cの目標値を達成した。また、錠剤型semaglutideを服用した患者の71 %が、5 %以上の体重減少を達成した。副作用は、錠剤型と注射型semaglutideで変化は見られなかった。

以上の結果は、錠剤型semaglutideの効果と安全性を証明するもので、より大規模で長期のフェーズ3試験へと進む根拠を与えている。

【論文】
Effect of Oral Semaglutide Compared With Placebo and Subcutaneous Semaglutide on Glycemic Control in Patients With Type 2 Diabetes A Randomized Clinical Trial (JAMA)

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