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McMaster大学の研究チームは、急性骨髄性白血病(AML)の画期的な治療法として、糖尿病薬が有効である可能性を報告した。この論文は、Nature Cell Biology誌に掲載された。

急性骨髄性白血病(AML)は、白血球細胞が異常に増殖する血液のがんであり、米国では2017年に約2万人が新たにAMLを発症している。

研究チームはAML患者の骨髄細胞を精査した結果、患者の骨髄では脂肪細胞のニッチが破壊されていることを発見した。つまりAMLでは、骨髄中の脂肪細胞が抑制されていることを見い出した。その結果、赤血球の前駆細胞や幹細胞の機能不全を引き起こしていたのだ。

この脂肪細胞の抑制を改善するため、研究チームはⅡ型糖尿病薬であるPPAR-gammaアゴニストの効果を検証した。患者の骨髄を移植したマウスに薬剤を投与したところ、骨髄中での脂肪細胞の回復が見られた。これにより血球細胞の正常な分化が復活し、白血病細胞の増殖が抑えられた。

この成果は、従来の白血病治療とは全く異なるコンセプトの治療の可能性を示唆している。これまでの治療は、異常な白血球細胞を取り除くことが主眼となっていたが、今回の発見は、糖尿病薬により造血細胞の正常な増殖を促すことで、白血病治療が行える可能性を示した。赤血球細胞の増殖を促すことで、白血病患者によく見られる貧血を防ぐ利点も期待できる。

【論文】
Acute myeloid leukaemia disrupts endogenous myelo-erythropoiesis by compromising the adipocyte bone marrow niche (Nature Cell Biology)

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