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制がん因子であるp53は、DNA修復、アポトーシス(プログラム細胞死)や細胞周期の停止などに関与しており、発がんを防ぐ役割を果たしている。p53の変異が発がんにつながることは広く知られているが、今回、Stanford大学の研究チームによって、発癌を抑えるp53の変異も存在することが報告された。Cancer Cell誌上で発表された。

研究チームは、マウスの腎臓がんにおいて、p53が持つtranscriptional actication domain (TAD)の変異の影響を調査したところ、変異体のひとつであるp53-TAD2が発がんをより強力に抑える「超制がん因子」として働くことを見出した。

制がんメカニズムとして、p53-TAD2は、その下流の因子であるPtpn-14を活性化し、それが発癌因子であるYapを抑制することが明らかにされた。

研究チームは、p53-TAD変異体を導入したマウスの腎臓がん形成を調べていたところ、そのうちの一つであるp53-TAD2では予想に反して発癌が抑えられることを見出した。

今回、p53-TAD2の下流因子として発見されたYapは、非常に強力な発がん因子であり、p53を欠損した癌の治療薬として、Yapに対する阻害剤が注目される可能性がある。

今後、研究チームは、p53-TAD2変異体が腎臓がん以外のがんも抑制することができるか研究を行う予定であるという。

【論文】
A p53 Super-tumor Suppressor Reveals a Tumor Suppressive p53-Ptpn14-Yap Axis in Pancreatic Cancer. (Cancer Cell)

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