lecture_1


学振DCやPDの面接は、非常に短い時間の中で自分の研究をアピールしなければいけません。僕が海外PDの面接に行ったときの面接時間は、4分間の発表と1分間の質疑応答でした。これは、僕が今までにやったことのあるプレゼンテーションの中で、一番短いです。

一般にプレゼンテーションは、持ち時間が短ければ短いほど、難易度が高くなっていきます。スライドや話の構成を入念に工夫しないと、4分間という短い時間の中で、必要な話を伝えきることができないからです。

良いプレゼンを行って、選考委員の先生方に自分の「売り」を理解してもらい、高い評価につなげましょう。今回は、学振DC/PD面接で、分かりやすいプレゼンを行うために僕が行った工夫を挙げてみたいと思います。


本題に入る前に、他にも学振関係の記事を書いているので紹介したいと思います。ぜひそちらもご覧ください。

学振制度について知る

申請書を書く上で重要な一般的注意事項


僕がPDや海外PDの受入先を選んだ時の話

業績が少なく不利な状況からの逆転を目指す人のために

申請書の書き方についてもっと具体的に知りたい人には

面接に回されてしまったら・・・


それでは、本題です。

面接官の構成

面接官は、全部で5人か6人くらいだったと思います。その内の2名が僕と専門の近い先生らしく、申請書の内容を把握した上で、質問をする役割を担っているようでした。

僕の場合、その二名の先生から、専門的な質問を受けたあと、座長の先生からより一般的な、研究の社会的意義を質問されました。


発表スライド構成


僕が作った発表スライドは8枚で、内容はスライド毎に、
  • 表紙(研究タイトル、氏名など)
  • これまでの研究(大学院生時代)
  • これまでの研究(第一ポスドク時代)
  • これからの研究計画の背景
  • 海外受入先ラボの強みを紹介
  • 既存研究の問題提起
  • これからの研究計画(解決法の提案)
  • まとめ
という形で割り当てました。これだけの内容を、4分間で喋りきらないといけません。表紙を除いて7枚というのは、4分間で話すにはかなり多いですが、これが必要最小限の内容でした。うっかりすると最初の3枚くらいで時間切れになりそうです。

そこで、時間の節約のために、スライドとセリフに様々な工夫を入れて行きました。



スライドには図を多用する


スライドは、図を多用するというか、図をメインにして作成しました。文字は基本的に図中のサポート的役割に留めました。こうする事によって、研究内容が視覚的に入ってくるようにして、面接官の方々に分かった気になってもらうのです。一枚あたり30秒程度しか時間がなかったので、じっくり考えてもらうことはとてもできません。「まとめ」のスライドですら、箇条書きのスタイルを避け、要点を矢印を使った図で視覚的に表しました。また、図に頼ることでセリフの文字数を減らし、喋りに余裕を持たせる効果もありました。



アニメーションを活用する


アニメーションを使うことで、プレゼンが解りやすくなるなら、是非使うべきです。

例えば、入り組んだ図の一部だけを最初に示しておいて、そこの部分を説明した後に、別の部分を示す、というのはアニメーションの効果的な使い方です。一度に示す情報を限定することで、見て欲しい場所に、面接官の注意を集めやすくなります。実際に、僕も「これからの研究計画の背景」や「既存研究の問題提起」のスライドで、この種のアニメーションを用いました。


業績のアピール


スライドには、リファレンスとして自分の業績を書きますが、アピールのために、通常の学会プレゼンよりも大きな字で書きましょう。さらに、僕は自分の業績に加えて、自分の受入先ラボの教授のCNS誌の業績も大きく出しました。面接官の顔色を見るに、ウケは上々でした。

話し方の工夫


発表の態度は、評価に影響します。基本ですが、面接官の方を見ながら、内容を語りかけましょう。それから、発表者がゆっくりはっきり喋ってくれると、話の内容を理解しやすいです。特にスライドの最初の一枚か二枚は、意図的にゆっくりと話すことで、面接官があなたのプレゼンに入り込むための時間的余裕を持たせましょう。

ただ、ゆっくり喋っていて時間内に終わらないのではダメなので、僕はセリフを工夫しました。不必要な表現を削り、できるだけ少ない文字数のセリフを作りました。これで、ポイントをすべて押さえつつ、自分に無理なく話せる量のセリフにまとめました。

後は、作り上げたセリフを自然に演じられるまで練習しました。何回練習したか分かりませんが、行きの飛行機では、ずっとセリフの練習と練り直しをやっていました。



面接当日


面接当日は、麹町の学振ビルに発表時間のちょっと前(30分か1時間か、正確には忘れました)に入って、発表スライドのチェックをして、本番を待つ事になります。他の発表者も隣で2人くらい待っていたので、積極的に話しかけて、待ち時間で緊張しないように努めました。

余談ですが、僕はすでにこの時ボストンに住んでいたため、この4分間のプレゼンのために、ボストンー東京間を二日間かけて往復しました。絶対にこの労力を無駄にするまいと思って、当日は非常に気合が入っていたのを覚えています。

あとは、本番です。平常心で、練習したことを出し切りましょう。