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学振DC/PDの競争倍率の推移


多くの大学院生や博士号を取得したばかりの研究者が目標とする学振DC/PDですが、これを目指す人にとって、その競争倍率は気になるところです。

最近、2017年度のデータが公開されましたので、過去データと合わせて傾向を分析しました。


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本題に入る前に、他にも学振関係の記事を書いているので紹介したいと思います。ぜひそちらもご覧ください。

学振制度について知る

申請書を書く上で重要な一般的注意事項


僕がPDや海外PDの受入先を選んだ時の話

業績が少なく不利な状況からの逆転を目指す人のために

申請書の書き方についてもっと具体的に知りたい人には

面接に回されてしまったら・・・


それでは、本題です。

申請者数の推移


まずは、2006年から2017年までの申請者数の推移です。

申請者数2017_2
過去12年間、申請数はPDが減少傾向であるのに対して、DC1とDC2は増加傾向が見られます。海外PD (PDRA)は横ばいで、RPDは増加しています。

今回示すデータは、PDRAの2011年の通常募集分のみのデータを使っていて、追加募集分を含んでいません。


採用者数の推移


続いて、採用者数の変化を見てみましょう。

採用者数2017

PDの採用者数は、2011年度にピークを示してからは減少しています。2014年からは横ばいですが、2017年も前年に比べて微減しました。

DC1とDC2は、2013年から減少傾向が見られます。PDRAは過去12年間で横ばいか微増、RPDは増加傾向です。


採用率の推移


では、採用率はどのように変化しているでしょうか。

採用率2017

採用率も採用数と同じ傾向を示しています。

PDはこの四年間は10%から15%で推移しており、2017年も同様でした。

DC1とDC2はほとんど同じ採用率を示していて、2013年以降は採用率が減少し、だんだんと難化している傾向が見られます。

一方で、PDRAはこの12年で採用率が増加する傾向が見られましたが、2015年に採用率が突然下がって、20 %を下回りました。その後はまた採用率が増加しつつあり、2017年は、PDRAとDCの採用率はほぼ同じでした。

RPDは、過去12年間でばらつきながらも増加傾向を示していて、直近の三年間は、採択率が25 %を超えています。


申請・採用者数と採択率の個別データ


最後に、種別ごとに申請者数、採用者数、それから採用率をまとめてみます。

PD

PD2017

PDは申請者数が2006年から2013年まで減少し続け、2014年、2015年と反発しましたが、2016年には再び減少に転じ、2017年も減少しました。

面白いことに、採用率と申請者数には関連がありそうです。2011年から2013年には高い採用率を記録していますが、その翌年の2014年から申請者数が増加に転じています。一方で、2014年、2015年と低い採用率を記録した翌年、2016年からは再び減少に転じています。

あまりにもPDの競争が激しいので、出すだけ無駄と考えて、そもそも申請しない人が多かったのでしょうか。2016年からは、採用率はわずかに上昇傾向を示しているので、来年2018年の申請者数は増加に転じるかもしれません。


PDRA

PDRA2017

PDRAは、2006年から2014年まで採用率の上昇を続け、2014年には25 %近い高採用率に達しました。

その翌年の2015年には、前年の高採用率のためか申請者数が大きく増加しましたが、2015年の採用率は大幅に下落し、20 %を下回りました。

そのためか、2017年の申請者数は、前年より大きく減少しましたが、2016年から採用率は回復傾向なので、2018年は申請者数も増加するかもしれません。


RPD


RPD2017

RPDは、2006年からの6年間で申請者数が大幅に増加し、2012年からは申請者数は横ばいとなっています。

2013年までの採用率は、20 %前後で大きくばらついていましたが、2015年からの三年間は25 %を超える高採用率で安定しています。


DC1



DC1_2017

DC1の申請者数は、2006年から2017年まで増加傾向が見られます。採用率は2007年から上昇し、2010年には30 %に迫りましたが、その後は2017年まで減少傾向を示し、2017年には20 %程度まで落ちてきています。

2014年からは、申請者数が横ばいにも関わらず、採用数が減少し、採用率の低下につながっています。


DC2


DC2_2017

DC2は、2006年から2010年まで申請者数が減少していますが、これはDC1とDC2の採用率上昇の結果と見られます。

採用率は、DC1と同じく2010年から減少傾向を示していて、競争が激しくなってきています。


まとめ


過去のデータを見てみると、最近の三年間は、DCがやや難化傾向を示す一方で、PD、PDRA、およびRPDが易化傾向を示しています。

PDは、2011年から2013年まで20 %弱の高採用率でしたが、その後は15 %以下に戻ってしまいました。あまりにも低い採用率のためか申請者数は減少しており、他のキャリアパスを選ぶ人が増えているようです。

PDRAはPDに比べて採用率が高く、申請者数には減少傾向が見られません。採用率以外の原因として、海外に活躍の場を求める人が増えているということかもしれません。

DCは、直近5年間で申請者数は横ばいですが、採用数の減少によって、競争が厳しくなる傾向があります。

RPDは、直近の三年間で採用者数と採用率が明らかに増加しています。RPDの申請、採用者の大半が女性ですから、女性研究者の活躍を推進しようという意図がありそうです。