健康科学速報

ヘルスケア分野の科学技術の海外ニュースを伝えます。

2017年10月

がん治療の大きな問題のひとつは、がんの再発である。一度は寛解した患者でも、何年も経ってから、より悪性度を増して再発することは珍しくない。がんの再発が起こるメカニズムを解明することは、より適切な時期に、より効果的な治療を行う上で必要とされている。

イギリスの研究者らは、再発したがんがどのように免疫系を避けるのか、そのメカニズムの一端を解明した。Cancer Immunology Research誌で発表された論文では、マウスモデルを用いた研究により、再発したがんはTNF-alfaシグナルの作用を転換し、ナチュラルキラー(NK)細胞を無効化することで、免疫系を逃れていることが報告された。

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Johns Hopkins大学の研究者らは、脳のワーキングメモリ(作業記憶)を改善する効果的なトレーニング方法を発表した。

ワーキングメモリとは、一時的に情報を保管して操作する機能のことで、我々が学校や仕事などの日々の生活で使っている。ワーキングメモリは読解力や数学力に関連する重要な脳の機能で、ワーキングメモリを改善することで、学習や仕事の効率を上げられるかもしれない。

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米国の3,000万人に及ぶ糖尿病患者のうち、90 %はⅡ型糖尿病に分類される。Ⅱ型糖尿病では、体内で分泌されたインスリンが効果を失い、正常に血糖値を低下させられないことが原因となっている。このⅡ型糖尿病に用いられる薬剤のひとつとして、glucagon-like peptide-1 (GLP-1)受容体作動薬のsemaglutideが用いられるが、現時点で、この薬剤は注射により投与する必要がある。

より簡便な経口投与の実現を目指して、錠剤型のsemaglutideの臨床試験が現在イギリスで行われている。今回発表された第二相臨床試験では、26週間にわたる試験によって、錠剤型semaglutideの血糖値制御効果が確認され、プラセボとの有意な差が確認された。この結果により、錠剤型semaglutideの治験は、より大規模な第三相臨床試験へと進む見込みだ。

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トラウマ誘発性異所性骨化(HO)は、四肢に重度の損傷を負った際に、その回復過程で異常な位置に骨が形成され、痛みや運動機能の低下を引き起こす。HOは、患者の生活の質(QOL)の低下を引き起こし、社会復帰の障害となるなど大きな問題となっている。

ラパマイシン(Rapamycin)は、すでに免疫抑制剤としてFDAにより認可された市販薬だが、今回新たな効果として、HOを防ぐことがラットの実験で示された。

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多発性硬化症(MS)は、脳や脊髄で起こる自己免疫疾患で、神経細胞のミエリン鞘が傷つく事によって機能が阻害され、視覚や筋肉の機能低下が引き起こされる。

現在の治療法は、免疫を抑えることで病気の進行を遅らせることに終始しており、失われた神経の機能を回復させることは出来ない。神経機能を回復させる治療法は、MS治療の新たな局面を拓くものとして嘱望されている。

現在、そのような治療法の確立を目指して、Clemastine fumarateの臨床試験が行われている。この薬剤は、MSにより失われた神経機能を回復させるのではないかと期待されている。

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