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免疫応答は、病原体から体を守るために我々の体に備わった機能です。しかし、これが長期間になると関節リウマチなどの症状を引き起こし、健康を害する結果につながります。

免疫抑制剤を使うことで、慢性炎症の症状を抑えることができます。

しかしながら、これらの薬剤は効果が強い反面、副作用も出やすいことから、万人にとって安全とは言えません。

免疫抑制剤ほど強力ではありませんが、天然の栄養素やサプリメントの中にも、炎症の抑制を助ける成分が知られています。

このページでは、炎症を抑える効果が科学的に報告されている天然の成分について紹介します。



1. オメガ3脂肪酸


オメガ3脂肪酸は、魚などの海産物に含まれており、抗炎症サプリメントとして知られています。

特に、血管の炎症に効果が示唆されており、心臓病や心臓発作を防ぐかもしれません。

またオメガ3脂肪酸は、皮膚の自己免疫疾患である乾癬(かんせん)にも有効と考えられています。



さらに、椎間板変性症の患者250人を対象とした研究では、59%の患者で鎮痛のための抗炎症薬(NSAIDs)を魚油で置き換えることが可能でした。

多くの抗炎症薬と同様に、オメガ3脂肪酸は出血のリスクを高めます。抗凝固薬を使っている人や出血を伴う疾患の患者さんなどは、オメガ3脂肪酸を避けた方が無難でしょう。



2. クルクミン


クルクミンは、ウコンに含まれる成分で、炎症を抑えて傷の治りを速めたり、がんのリスクを減らすことが報告されています。

ある研究によれば、肥満によるメタボリックシンドロームで起こる炎症を抑える作用もあるようです。クルクミンは、炎症反応を変化させ、インスリン耐性、高血糖や高脂血症の軽減作用があります。

一般的な摂取量は、400mg~600mgのクルクミンを一日あたり三回です。

クルクミンは低用量のNSAIDsと一緒に摂ることは問題ありませんが、高容量では出血のリスクが上昇します。また、抗凝固薬を服用している人や出血性の疾患のある人では出血リスクが上昇します。



3. S-アデノシルメチオニン


S-アデノシルメチオニンは、我々の体が自然に生合成している成分です。この化合物は、遺伝子の修飾(エピジェネティック)に重要です。

遺伝子が修飾されると、その遺伝子の活性化や不活性化が起こります。

S-アデノシルメチオニンは、うつ、骨関節炎、肝臓症状の一部に対して、炎症を抑えて症状を和らげる効果があるとされています(文献)。

いくつかの臨床試験でも、S-アデノシルメチオニンは関節炎の炎症を抑え、場合によってはNSAIDsと同程度まで痛みを緩和することが示唆されています。

摂取量の目安は、以下の通りです。
  • 線維筋痛症に対しては、200mgから800mgを一日二回
  • 鬱に対して、800mgから1600mgを一日二回
  • 骨関節炎に対して、600mgから1200mgを一日三回

S-アデノシルメチオニンは、様々な医薬品と干渉する可能性があるので、医師と相談の上、使用を検討してください。

また、過剰に摂取すると、吐き気、下痢、めまいなどの症状が出る場合があります。


4. 亜鉛


いくつかの研究で、亜鉛が有力な抗炎症作用を持つことが報告されています。

例えば、2014年の研究では、亜鉛が高齢者において炎症と酸化ストレスを減少させることが示されています。酸化ストレスは炎症の原因となり、がんなどのリスクを上昇させます。

亜鉛はまた、感染症のリスクを減少させることも知られています。(文献

亜鉛が欠乏した人では、関節炎のリスクが上昇することが知られており、亜鉛と炎症の関係が示唆されます。

亜鉛サプリメントの摂取量は、一日あたり男性で11 mg、女性で8 mgが目安です。一日に40 mg以上の摂取は副作用の恐れがあります。

亜鉛は、カルシウム、利尿薬、抗生物質の一部の働きに影響する可能性があるので、医療機関に相談の上、ご使用ください。



5. 緑茶


緑茶を飲む地域では、炎症に関連する病気の発生率が低いことなどから、緑茶に炎症を抑える効果があると考えられています(文献)。

研究によれば、緑茶は炎症を引き起こす化学物質の産生を抑える可能性が指摘されています。緑茶を飲むことで、軟骨の減少を遅らせ、関節炎の症状を低減できるかもしれません。

一般的な摂取量は、一日あたり三杯から四杯の緑茶を飲むか、あるいは、緑茶の抽出物であれば、300 mgから400 mg摂取すればよいでしょう。

緑茶はカフェインを含んでいるため、カフェインの影響を受けやすい人は注意が必要です。カフェインは下痢などの症状を引き起こすことがあります。

その場合は、カフェインを除いた緑茶を試すとよいでしょう。



6. 乳香


ボスウェリアセラータという植物から採取される乳香は、生薬として知られ、炎症と痛みを抑える効果があります。

乳香を利用することで、軟骨の減少を防ぎ、自己免疫の症状を抑えられるかもしれません。骨関節炎の痛みを、5日間程度の短期間で緩和できる可能性があります。

30%から40%のボスウェリン酸を含む抽出物を300 mgから500 mg、一日二回あるいは三回摂取するのが一般的な使用法です。

乳香とクルクミンを組み合わせると効果が増強され、ある研究ではNSAIDsであるジクロフェナクよりも忍容性が高いという結果も報告されています。

乳香は、通常安全ですが、人によっては腹痛や下痢といった副作用が出る場合があります。



7. カプサイシン


カプサイシンは、唐辛子の辛み成分です。カプサイシンによって神経や筋肉の痛みを軽減する効果が報告されています。

カプサイシンはサプリメントとしても摂取可能ですし、痛みを感じる部位に塗るためのカプサイシンのクリームも入手可能です。

ただし、カプサイシンは肌や目に刺激性があるので、クリームの使用後は手をよく洗浄してください。



8. キャッツクロ―


キャッツクロ―は、熱帯雨林の植物ウンカリア・ギアネンシスから作られる生薬です。

研究によれば、様々な種類の炎症を抑える効果が示唆されています。炎症性物質であるTNF-αを抑制するのに特に効果を示します。

お茶として飲む場合、1グラムの根皮を250 mLの水で抽出します。粉を摂取する場合は、一日20 mgから60 mgが適量です。

キャッツクロ―は一般に安全ですが、全身性エリテマトーデスの患者では腎不全を起こす可能性が報告されています。また、めまいが副作用として挙げられます。一方で、NSAIDsであるインドメタシンによる腹痛を和らげる効果を示す研究もあります。


まとめ


天然成分のサプリメントは、上手に使うことで痛みと炎症を和らげることができます。

一方で、副作用の可能性もあるため、使用を検討する際には医師との相談が重要です。

自身の体にあったサプリメントを見つけることができれば、医薬品の抗炎症薬の使用を減らすことも可能かもしれません。



参考:8 natural supplements to help fight inflammation