massage


多発性硬化症(MS)の原因は、いまだに解明されていません。しかし、新たな研究によれば、脳内のリンパ節から送られる奇妙なシグナルがMSの発症に関与しているかもしれません。

MSでは、神経細胞を取り巻くミエリン鞘を免疫系が攻撃することによって、脳細胞のネットワークが影響を受けます。

これによって体のバランス障害や筋肉の弱化、視覚障害などのMS症状が現れます。

どうして免疫系が脳細胞を攻撃してしまうのか、その理由はいまだに解明されていません。

しかし、バージニア大学の研究チームが発表した論文によれば、リンパ節からの予想外のシグナルが発病に関与する可能性があるようです。

SPONSORED LINK


脳からのシグナルがMSを発症させる


昨年、今回と同じ研究グループから画期的な発見が発表されました。それは、脳にもリンパ管が存在し、老廃物の除去に関わっているという発見でした。

当ブログでも以前、このリンパ管による老廃物除去作用が軽い飲酒によって向上するという研究を紹介したことがあります。

参考記事:適度な飲酒には脳の老廃物を取り除く効果がある

そして今回、同様のリンパ管システムがMS発症にも関与している可能性が報告されました。リンパ管からのシグナルが免疫系へとシグナルを送り、これがMSを引き起こしているのかもしれません。

この発見は、Nature Neuroscience誌で報告されました。

彼らの論文によれば、脳のリンパ節から出るシグナルが免疫細胞を脳に引き寄せることでMSなどの症状が現れることが示唆されます。

実際に、モデルマウスの脳内のリンパ管を阻害あるいは破壊することによって、MS症状の出現を防げることが確認されました。また、これによりMSを引き起こす免疫細胞のレベルも低下していました。

もしMSの原因が脳内のリンパ管を通じた炎症のコミュニケーションであれば、リンパ管を標的にした治療法が確立できるかもしれないと研究チームは述べています。


リンパ管の機能に残る謎


リンパ管が免疫系に何らかのシグナルを伝えていることは分かりましたが、その正体についてはまだ詳しくわかっていません。

次の目標は、シグナルがどのように伝わっているか、細胞や分子レベルでのメカニズムを明らかにすることだと研究チームは記しています。

そのメカニズムが分かれば、リンパ管のシステムを壊すことなく、MSの発症を防ぐことができるかもしれません。

また研究チームによれば、リンパ管の機能を阻害してもMS発症を完全には止めることができなかったことから、他の因子も関与していることが示唆されると説明しています。






参考:MS: Is a 'rogue' brain and lymph node interaction to blame?