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神経伝達物質は、神経システムを活性化する重要なシグナル分子として働くが、この調節の異常が線維筋痛症の症状に影響を与えており、さらに診断に利用できる可能性が新たな研究により示された。

この研究は、 Biological Research For Nursing誌に掲載された。

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線維筋痛症は、慢性的な痛みを特徴とする疾患で、継続的な疲労感、うつ、睡眠障害などが現れることから、患者の生活の質に大きな影響を与える。

この病気の原因については、広く研究が行われているが、発症原因やメカニズムについては解明されていない部分が多い。

これまでの研究によって、神経システムを調節するシグナル分子であるカテコラミンとインドールアミンが、発症過程に関わる可能性が示唆されている。しかし、明確な結論は未だに得られていない。


神経伝達物質と線維筋痛症の関係


そこでスペインの研究チームは、35人の線維筋痛症患者を対象として、カテコラミン類やインドールアミン類の血中濃度を測定し、12人の健常人との比較を行った。

カテコラミン類としては、エピネフリン、ノルエピネフリン、およびドパミンの濃度が測定された。インドールアミン類およびその中間体としては、セロトニン、5-HIAA、5-HTP、およびNac-5-HTが測定された。

研究の結果、エピネフリン類と5-HTについては、線維筋痛症患者と健常人の女性で血中濃度は同程度だったが、その他の分子については、大きな変化が見られた。健常人に比較して、線維筋痛症患者では、これらの神経伝達物質の血中濃度が減少していたのだ。

さらに分析を進めると、ノルエピネフリンの血中濃度が高いほど、線維筋痛症患者の身体の健康状態が悪くなるという関係が見られた。

また、この神経伝達物質は、線維筋痛症の診断に有効な可能性も示された。ノルエピネフリンの血中濃度が694.69 pg/mLよりも高い人は、90%の確率で線維筋痛症である可能性が示唆されたのだ。

これらの結果から、研究チームはノルエピネフリンが線維筋痛症の「正確な予測因子」であり、「この疾患の診断と治療を大きく助けるかもしれない」と考えている。

総合的に言って、この研究は病気についての新たな知識を加え、「線維筋痛症患者の診断、管理、および治療を助けるだろう」と研究チームは結論付けた。






参考:Neurotransmitters May Have Important Role in Fibromyalgia, Study Suggests