【アルツハイマー病】アスピリンが認知症の進行を防止する
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頭痛薬であるアスピリンが、アルツハイマー病を防止するという研究結果が発表されました。
アルツハイマー病は、認知症の一種です。この病気では、脳に毒性のあるアミロイドβと呼ばれるタンパク質の塊が蓄積します。
このタンパク質の塊が、免疫系による炎症反応を引き起こし、ニューロンを死なせることで脳神経の活動を妨げるのです。
アルツハイマー病の原因は、まだはっきりと解明されていませんが、アミロイドの蓄積が原因であるという説が有力な説のひとつです。
従って、アミロイドβの「ゴミ」を除去できれば、病気の進行を抑えられる可能性があります。
これまでの研究によって、リソソームと呼ばれる細胞内の器官が障害を起こすことによって、アミロイドβが蓄積することが示されていました。
リソソームは、細胞内に存在し、細胞の活動によって生じる「ごみ」を処理する役割を担っています。
また、別の研究では、頭痛薬であるアスピリンがアルツハイマー病のリスクを下げる作用が報告されています。
さらに最近の研究によって、アスピリンはリソソームの「ごみ」処理機能を促進し、マウスの脳で認知症につながる病変を減らすことが報告されました。
研究チームによれば、TFEBと呼ばれるタンパク質が脳の「ごみ」処理機能に重要な役割を果たしています。TFEBは転写因子として働き、リソソームでの生合成を制御しています。
研究チームは、遺伝子改変によってアルツハイマー病のモデルマウスを作成しました。
このマウスにアスピリンを与えると、TFEBの活性化によりリソソーム機能が促進され、脳のアミロイドβの蓄積が減少することが示されました。
アスピリンには、頭痛薬としての効能だけでなく、認知症を防ぐ効果があるのかもしれません。
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