taima_1


大麻の成分であるカンナビジオール(CBD)由来の化合物EHP-101が、再ミエリン化を促進し、神経細胞への損傷を防ぐことが、多発性硬化症(MS)のモデル動物を用いた実験で示された。この化合物は、脳と脊髄の免疫細胞であるミクログリア細胞の活動を抑えることも明らかになった。

EHP-101の開発を行うエメラルド社は、今年の後半にもカンナビジオール(CDB)由来のこの治療法について、第Ⅰ相臨床試験を開始する予定だ。

SPONSORED LINK

この発見は、オランダで開かれた28th Annual Symposium of the International Cannabinoid Research Societyの中で発表された。

関連記事【CBDオイル】線維筋痛症や多発性硬化症の痛みに対する有効性


CBDは、大麻に含まれる100種類以上の化合物のうちのひとつだ。

研究チームは、EHP-101の効果について、二種類のMSモデルマウス(EAEおよびTMEV)で調査を行った。

TMEVモデルマウスでは、EHP-101の治療により、脱ミエリン化や神経細胞損傷などのMSの特徴的な変化が防止された。また、再ミエリン化の促進が示唆された。

一般に広く用いられるEAEモデルマウスでは、EHP-101は投与量に応じた効果を示した。脊髄において、免疫分子や細胞外マトリックスの細胞接着分子などの、MSに関与する遺伝子の発現が減少した。

さらに、損傷に対するミクログリアの非特異的で強烈な反応であるミクログリオシスが減少することが示された。これらの効果は、低酸素誘導因子(HIF)に依存する神経保護の過程によって仲介されていた。このHIFによる過程は、免疫反応や血管形成で働くことが知られている。

これらの前臨床試験の結果は、三月にJournal of Neuroinflammation誌にも掲載された(関連記事:大麻由来成分が多発性硬化症モデル動物のミエリン回復を促進する)。

関連記事【多発性硬化症】医療用大麻に関する研究の進歩と課題


「神経軸索の修復と再ミエリン化を目的とした新しい治療法の開発は、MS治療において重要な障害となっています」とエメラルドCEOのJim DeMesa医師は報道発表の中で述べた。「我々の科学者たちは、EHP-101が満たされていない重要な医学的需要を解決し、MS治療を変える潜在性を示しました。」

エメラルド社によれば、EHP-101は、他のCBD化合物に比べてカンナビノイド受容体CB2とPPAR-γに対するアゴニスト活性が高いため、より効果が高い可能性がある。先の研究により、これらの受容体は中枢神経における炎症と脱ミエリン化を防ぐことを助け、末梢での神経繊維の増殖を促進することが示されている。

関連記事【多発性硬化症】サティベックスは痛みの緩和に有効








参考:Cannabidiol Compound, EHP-101, Seen to Prevent Nerve Cell Damage in MS Mouse Model