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抗うつ薬であるミルナシプランが、線維筋痛症の患者の痛みを軽減し、痛みの抑制に関連する脳の活動を活発にする可能性が報告された。

この研究は、Scandinavian Journal of Pain誌に掲載された。

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ミルナシプランは、アメリカFDAにより線維筋痛症への使用が承認された抗うつ薬のひとつだ。この薬はセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)と呼ばれ、脳と脊髄の神経伝達物質であるセロトニンとノルアドレナリンの濃度を上昇させる。しかし、ミルナシプランが線維筋痛症の症状を和らげるメカニズムは詳細にはまだ解明されていない。

研究により、線維筋痛症の患者では、中枢神経系の痛みの制御が不調を来していることが示されている。

機能的MRIを用いることで、健常人に比べて線維筋痛症患者では、圧力に対する痛みの強度が高く、痛みに関連する脳活動が増加することが示されている。

他の研究では、圧力の刺激に対して、線維筋痛症では脳の痛みを抑制するシステムの活性化が弱いことが報告されている。

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今回の研究で、科学者らは92人の女性患者を対象に13週間の神経イメージング研究を行い、ミルナシプラン(200 mg/日)が圧力に対する痛みの感受性に与える効果を評価した。彼らはまた、ミルナシプランが圧力による痛みの脳での処理過程に与える影響を測定し、この治療法の忍容性と安全性を評価した。

この二重盲検プラセボ対照の臨床試験では、18歳から55歳の患者が対象とされ、視覚的アナログ尺度による通常時の痛みの強さのスコアは平均40以上であった。この尺度では、0が痛みのない状態を表し、100が最も強い痛みを表す。

この試験の結果、ミルナシプラン治療を受けた患者では、痛みの感受性がプラセボに比べて低くなる傾向が明らかになった。この違いは、痛みの強度が高いほど大きくなった。ただし、研究チームによれば、試験の参加者の人数が比較的小さいために、統計的な効果は限定的かもしれないという。

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ミルナシプランを服用した患者では、機能的MRIによる観察において、痛みによって誘発される脳活動が治療前に比べて増加した。この活動の増加は、尾状核、前部島皮質、扁桃体といった痛みの抑制に関わる部位で特異的に観察された。

プラセボの患者と比較して、ミルナシプランを受けた患者では、治療後に楔前部と後帯状皮質での痛みによって誘発される脳活動が増加した。これらの部位は、以前の研究により線維筋痛症に関係し、デフォルトモードネットワークに重要な部位として知られている。

安全性に関しては、吐き気が最も頻繁な治療に関係する副作用として見られ、71.7%のミルナシプラン服用患者と43.5%のプラセボ薬服用患者が報告した。ミルナシプラン服用患者では、副作用のためにより頻繁に治療を中止する傾向が見られた。

「現在の結果は、ミルナシプラン治療の線維筋痛症に対する作用メカニズムに関する予備的な情報を提供する」と研究チームは書いた。

「これは、SNRI治療の繊維筋痛症に対するメカニズムに関する最初の評価であり、したがって将来のメカニズムに関する研究と新しい治療戦略開発の方向性に関する洞察を与える」と彼らは付け加えた。

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参考:Savella May Reduce Pain, Alter Brain Activity in Fibromyalgia Patients, Study Suggests