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サティベックスは、多発性硬化症(MS)患者の痛みを和らげるのに有用で、冷たい物への痛みの感覚を改善することが研究により確認された。

この研究は、Medicines誌に掲載された。

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MSに伴う痛みは、患者を弱らせる症状の一つで、29%から86%の患者に影響を与えている。痛みは、身体障害、苦痛、生活の質の劣化に関連している。

大麻由来の成分であるカンナビノイドは、MS患者の痛みと痙直を管理するのに効果的であることが知られている。

サティベックス(ナビキシモルス)は、二種類のカンナビノイド(THC、CBD)を1:1の割合で含む口腔粘膜へのスプレーで、GW Pharmaceuticals社により市販化されている。

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今回のイタリアで行われた調査では、サティベックスがMS患者の痛み(神経因性および侵害受容性)を緩和するかどうかが試験された。

慢性的な痛みと痙直を持つ19人のMS患者(18歳から65歳)が試験に参加した。すべての患者にサティベックスが一か月間投与され(一日平均6.9回)、治療前後での痛みの強さが評価された。

研究チームは、痛みを評価するために0から10までの数値評価指標(NRS)を用いた。NRSが高いほど痛みがひどいことを表す。痛みはさらに、レーザー誘発電位(LEP)と呼ばれる神経生理学的手法でも評価された。LEPでは、皮膚がレーザーで加熱され、脳へと痛みを伝える感覚繊維の反応が記録される。

痛みに関連する熱さや冷たさへの反応は、定量的感覚試験(QST)と呼ばれる心理生理学的手法で評価された。QSTは、痛みを起こす刺激への反応と、痛みを起こさない刺激への反応を評価する。患者は熱さや冷たさを感じた時に自己申告し、どれくらいの時間耐えられるかによって痛みの閾値が決定される。

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研究チームは、20人の性別や年齢が一致した健常人のデータと患者のデータの比較を行った。

NRSによる評価では、サティベックス治療後に数値が大幅に低下し、患者の74%(14人)では、サティベックス治療後に痛みが20%減少するという結果になった。

健常人との比較では、MS患者は上肢と下肢のLEPに対する痛みの感覚が減少しており、腕での痛みや温度への感覚が低下していることが示唆された。しかし、サティベックス治療後でも、患者のLEPでの大きな変化は見られなかった。

ただし、サティベックス治療によって、MS患者での冷たさによる痛みの閾値は大幅に改善することがQST試験により発見された。異常な冷たい温度への感覚は、脚において治療前の39.5%から28.9%へとサティベックス治療後に改善され、手でも35.5%から25%へと改善された。

温度への反応において痛みが軽減されたことから、研究チームは、サティベックスが細胞の冷たさや熱さに対するセンサーであるTRPチャネルに作用しているかもしれないと仮説を立てた。

「総合して、我々の研究は、MS患者の痛みを軽減することにおけるサティベックスの効果に関する証拠をさらに裏付けた。加えて、我々の発見は、カンナビノイドが直接的にTRPチャネルに働いて、冷たさへのチャネル機能を調節あるいは脱感作することを示唆した」と研究チームは結論付けた。

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参考:Sativex Relieves Pain in MS Patients, Italian Study Confirms