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オクレリズマブによる治療は、一次進行型の多発性硬化症(MS)の身体障がいの進行を遅らせることが第三相臨床試験の結果から示された。これにより、車椅子が必要になる時期を最大で7年間遅らせるなど、患者にとって重要な違いをもたらす可能性がある。

オクレリズマブ(オクレバス)を開発、市販しているGenentech社が、リスボンで開催された4th Congress of the European Academy of Neurologyの中で最新の臨床試験データを明らかにした。

第三相臨床試験ORATORIOの延長期間に得られたデータの新しい分析は、一進行型MSに対するオクレリズマブの有効性を引き続き示した。

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オクレリズマブによる治療を受けた患者では、プラセボ群と比較して、車椅子へと進行するリスクが46%低かった。このデータは、EDSS(Expanded Disability Status Scale)が7以上に到達するまでの時間を指標とした、24週間の身体障がいの進行度合に基づいている。

データ推定によって、オクレリズマブ治療はプラセボに比較して、車椅子の必要になる時期を7年間遅らせることができると示唆された。車椅子が必要になるまでの平均期間は、オクレリズマブ治療を受けた一次進行型MS患者で19.2年、プラセボ群で12.1年だった。

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一般に、このORATORIO試験で得られたプラセボ群の身体障がい進行速度は、12.1年であった。身体障がい進行速度とは、EDSSが7以上に到達するまでの時間を表し、この時点では車椅子が必要になる可能性が高い。この速度は、実際に一次進行型MS患者が治療を受けなかった場合の、12.4年という平均速度(MSBase registry)に近い値だった。

一次進行型MSと生きる人にとって、身体障がいは再発型MSよりも二倍速く蓄積するので、7年間長く車椅子なしで生活できるというのは、彼らが独立して家で生活できる時間や、仕事や家族の世話を継続できる時間を延ばすことになります」とMonash UniversityのHelmut Butzkueven教授は報道発表の中で述べた。

安全性に関しては、3778人の一次進行型MS患者について9474人年のオクレリズマブ治療のデータが得られ、これまでの第三相臨床試験と一致する結果であったと研究チームは記した。

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参考:#EAN2018 – Ocrevus May Delay Progression to Wheelchair by Up to 7 Years, New Analysis of PPMS Patient Data Shows