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ビタミンDは、色々なタイプのがんのリスクを減らす栄養素として知られている。最近の研究によれば、十分な量のビタミンDが血中に存在する人では、乳がんに罹るリスクが大幅に低いようだ。

ビタミンDのがんを抑制する効果については、長い間、医学上の議論が続いてきた。

いくつかの研究によれば、ビタミンDのレベルが高い人は、がんのリスクが低いことが示されていたが、一方で、他の研究ではビタミンDにはがんを防ぐ効果がないという結果も示唆されていた。

例えば、ビタミンDが不足すると、膀胱がんや大腸がんの発症リスクが上がることが知られている。

また、ビタミンDレベルが高い人では、乳がん治療後の生存率が高いという報告もある。

前向きコホート研究と二件の無作為化臨床試験によって、University of California, San Diegoの研究チームは、高いビタミンDレベルと低い乳がんの発症リスクがどの程度関連するかを調査した。

この分析により、一定より高いレベルのビタミンDは、乳がんリスクを「大幅に下げる」という結果が示された。

この研究は、PLOS ONE誌に掲載された。

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高いビタミンDレベルが乳がんのリスクを減らす


研究を主導したCedric F. Garland博士と研究チームは、二つの無作為化された臨床試験から3325人分のデータを分析し、そのうち1,713人について前向きコホート研究を行った。

全ての参加者は女性(平均年齢63歳)で、それまでにがんを患った経験はなかった。データは2002年から2017年の間に集められ、平均で4年間追跡調査された。

具体的には、研究チームは乳がんの発症リスクと血漿中の25-ヒドロキシビタミンD(25(OH)D)の濃度の関係を調査した。25(OH)Dは、ビタミンDの主要なバイオマーカーだ。

彼らの三つの調査が行われている間、新たに77件の乳がんの症例が報告された。「年齢で補正された乳がんの発生率は100,000人年に512件だった。」

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この分析により、高い血中ビタミンD濃度を持つ人は、大幅に乳がんリスクが低いことが分かった。

「我々は、25(OH)Dの血中レベルが60 ng(ナノグラム)/mlよりも高い人では、20 ng/mlの人に比べて、乳がんの発症リスクが五分の一に減ることを発見した」と研究チームは明らかにした。

さらに、ビタミンD濃度が増えるほど、乳がんの発症リスクは減っていった。

これらの事実は、我々がどれくらいのビタミンDを摂取すべきかについて未だ議論があることを鑑みれば、特に重要な発見だと言える。

Garland博士らによれば、健康的なレベルの25(OH)Dは、60 ng/ml以上と推定され、現在National Academy of Medicineによって推奨される20 ng/mlよりも大幅に高い数字となっている。

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ビタミンDと乳がん発症リスクの強い関連性


ビタミンDと乳がんリスクとの関連は、影響を与えうる因子(年齢、BMI、喫煙の有無、カルシウムの摂取量)などを考慮した上でも有意であった。

筆頭著者のSharon McDonnell博士は、「ビタミンDの血中濃度を20 ng/mlよりも大幅に増やすことは、乳がんの重要な防止策になると思われます」と説明する。

ただし、この研究は観察に基づく疫学的な研究であり、必ずしもビタミンDと乳がんリスクの因果関係を保証するものではない。

また、この研究は更年期後の乳がんに焦点を当てたものであり、より若い時期の乳がんについても当てはまるかどうかは、今後の研究が必要である。

「しかしながら、この研究は血漿中ビタミンDと乳がんリスクの減少との間の強い関係を報告しています」とGarland博士は結論付けた。

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参考:Vitamin D may decrease breast cancer risk, study reports