健康科学速報

ヘルスケア分野の科学技術の海外ニュースを伝えます。

認知症

アルツハイマー病を含む認知症は、2015年には世界中で4700万人の患者がおり、これを予防することは重要な課題である。

世界中の認知症の専門家24人が共同で執筆し、最近The Lancet誌上で発表した総説論文によれば、認知症のうち三分の一は、以下の生活習慣を改善することで予防できる可能性がある。

認知症のリスクを減らすためには、
  • 中学校までの教育を受ける
  • 高血圧肥満糖尿病を避ける
  • 中年での聴覚障害を予防、および治療する
  • 喫煙しない
  • 運動する
  • うつ病社会的孤立を避ける
論文によれば、認知症のうち35%は、これらの要因によって引き起こされるため、これらを避けることで理論上、三分の一の認知症を防止できることになる。

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エクササイズ


これまでに、運動が発がんリスクを下げることは疫学的に知られていたが、その分子メカニズムは明らかでなかった。コペンハーゲン大学の研究チームは、エピネフリンによるHippoシグナルの活性化が、そのメカニズムであることをCancer Research誌に発表した。

研究チームは、女性被験者に中度から高度の負荷の運動をさせ、その前後で採取した血漿を分析した。乳がん細胞を運動前後での血漿で処理したところ、運動後の血漿には乳がん細胞の増殖を抑制する効果があることを発見した。

その後の研究で、運動により血漿中に増加したエピネフリンが、制がんシグナルであるHippoシグナル経路を活性化することで、がん細胞の増殖が抑えられることが明らかとなった。


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コーヒー


一杯のモーニングコーヒーが、2型糖尿病の予防に役立つかもしれない。

オーフス大学の研究チームは、コーヒーの成分であるカフェストールがインスリン分泌を促進し、血中グルコース濃度を下げ、インスリン感受性を改善することをマウス実験により示した。Journal of Natural Products誌に発表された。

 2型糖尿病では、インスリン分泌の不足等から、血中のグルコース濃度が高くなりすぎてしまう。研究チームは10週間マウスにカフェストールを投与した結果、血中のグルコース濃度を約30%低下することを見出した。また、インスリン分泌は、カフェストール投与によって約80%増加した。

カフェストールは、2型糖尿病のリスクを下げ、また糖尿病治療薬として有用な可能性が示された。


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suimin_woman


サトウキビの成分であるオクタコサノールに睡眠を促進する効果があることを筑波大学の研究チームが示した。この研究成果は、Scientific Reports誌に掲載された。

ストレスにより睡眠障害を起こしたマウスにオクタコサノールを100~200 mg/kg投与したところ、深い睡眠状態であるノンレム睡眠の時間が増加した。一方で、睡眠障害を起こしていないマウスの睡眠には影響を与えなかった。

研究チームは、オクタコサノールは食物に含まれる天然成分であり、人工の睡眠導入剤に比べて副作用が少ないなどの利点があることから、ストレスによる睡眠障害の治療に有用ではないか、と述べた。


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がんの免疫療法は、次世代の治療法として期待されている。マサチューセッツ総合病院の研究チームは、新型の免疫療法である「CAR T細胞療法」の注目に値する臨床試験の結果を、NewEngland Journal of Medicine誌に発表した。 

報告によれば、CAR T細胞療法によって、これまで治療の難しかったがんの完全寛解が得られたという。今回の試験では、脳に転移したがんの一種であるDLBCL(diffuse large-B-cell lymphoma)のうち、抗がん剤に耐性を示すものに対して行われた。今回の結果は、世界初のCAR T細胞療法の中枢神経への応用例であるという。

CAR (chimeric antigen receptor) T細胞療法は、患者自身のT細胞に対して遺伝子改変を加え、標的のがん細胞に特異的な抗体を発現させる。今回の試験では、B細胞がんに多く発現するCD19を標的とした、JCAR017が試験された。


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